米Fox Newsで実際に起きた性暴力事件を描く
映画『ボムシェル(Bombshell)』は、映画『モンスター』でアカデミー賞主演女優賞を獲得したシャーリーズ・セロン、『めぐりあう時間たち』で同じくアカデミー賞主演女優賞をとったニコール・キッドマン、そして『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』でアカデミー賞とゴールデングローブ賞にノミネートされたマーゴット・ロビーという、実力派俳優たちが共演することで大注目の映画。
今回公開された予告編では、ビリー・アイリッシュの楽曲「バッド・ガイ」に合わせて3人の仕事ぶりを垣間見ることができる。『ボムシェル』は、2016年に米大手ニュース局Fox Newsの創設者で、当時CEOだったロジャー・エイルズに、多くの性暴力疑惑が持ち上がるなかで、Fox Newsで働いていた女性たちに焦点を当てたもの。
“Bombshell”は、「衝撃のニュース」という意味を持つほか、「魅力的な女性」という意味を持つため、映画のタイトルはそのダブルミーニングを楽しんでいると思われる。
ニコールが演じるのは、2016年にエイルズCEOに対するMeToo騒動を起こすきっかけとなったセクハラ裁判を起こした、Fox Newsキャスターのグレッチェン・カールソン。シャーリーズが演じるのは、同じく告発したFox Newsキャスターのミーガン・ケリー。そしてマーゴットは架空の番組プロデューサー、ケイラ・ポシュピシルを演じている。
監督は『オースティン・パワーズ』シリーズや『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』のジェイ・ローチ。脚本は『マネー・ショート
華麗なる大逆転』のチャールズ・ランドルフが務める本作。ローチは主演の3人と、「この映画を作らなければならない」という強い想いで製作を始めたと試写イベントのQ&Aで語った。
『ボムシェル』の製作陣やキャストたちは、この映画がセクハラ被害を受けた経験のある人を勇気づけ、立ち上がるきっかけになればいいという願いを込めたという。一方でローチ監督は、「男性も会話に参加しなくてはいけない。全員が職場で安全に働けるべきで、問題の原因は男性にあるのですから」と念を押した。
映画『ボムシェル(Bombshell)』は、12月20日に全米公開。日本での公開は未定。(フロントロウ編集部)