シンガーのレディー・ガガがホテルの一室に置いていった「忘れ物」がオークションに出品。しかし、このアイテムが少々ややこしい問題を引き起こしている。(フロントロウ編集部)

とんでもない「忘れ物」がオークションに出品

 レディー・ガガが2019年の年明けに行なわれたゴールデン・グローブ賞で着用した美しいラベンダーブルーのドレスを覚えているだろうか?

 俳優のブラッドリー・クーパーが監督・主演を務め、自身がヒロインを演じた映画『アリー/ スター誕生』のために作曲した挿入歌「シャロウ」が同アワードで主題歌賞を受賞したガガは、イタリアの老舗ブランド、ヴァレンティノ(Valentino)のカスタムドレスでレッドカーペットに華を添えた。

画像: 2019年のゴールデン・グローブ賞にて

2019年のゴールデン・グローブ賞にて

 1954年公開の前リメイク作『スタア誕生』の劇中で俳優のジュディ・ガーランド演じる主人公が着用したラベンダーのドレスをオマージュしたかのような、美しい色合いとデザインが注目を浴びたこのドレスが、最近、米老舗オークションハウス、ネイト・D・サンダースのオークションに出品。

 しかし、最低入札価格8000ドル(約87万円)で出品されたこのドレスが、じつは「盗品である」という疑惑が浮上している。

 ネイト・D・サンダースのオークションページには、このドレスの紹介文と一緒に、出品者であり、ガガがゴールデン・グローブ賞の当日に宿泊したビバリーヒルズ・ヒルトン・ホテルの清掃員として働くサラ・コレアという女性からの手紙が添えられており、そこには、このヴァレンティノのドレスが、彼女が“結果的に”ガガから譲り受けたものだという記述が。

画像: とんでもない「忘れ物」がオークションに出品

 過去24年間、毎年ゴールデン・グローブ賞のために同ホテルに宿泊するセレブたちの部屋の掃除を担当した実績があるというサラが綴った、このドレスが本物であることを証明する手書きの「保証書」とオークションページの説明文には、1月に行なわれた同アワードの翌日、ガガが宿泊していた部屋にこのドレスが置き去りにされているのを見つけたサラは、すぐにホテルの遺失物担当に報告。しかし、保管期限である8カ月を過ぎてもドレスの持ち主が名乗り出なかったため、規定に乗っ取り、発見者であるサラの物となったと記載されている。

 彼女が実際にドレスを“忘れ物”として届け出た際の報告書も添付されており、サラは直筆の証明書に「このドレスはアーティスト(シンガー)のレディー・ガガが私に残して行ってくれたものです。私は、このドレスを2019年の1月8日にホテル内の遺失物部門に届け、その後、法的に保管されていましたが、最終的に彼女からの贈り物として私が頂くことになりました」と、ドレスを手にすることになったいきさつを記している。


ブランド側が「盗難届け」

 しかし、米TMZの報道によると、ドレスがオークションに出品されたことを知ったヴァレンティノは、このアイテムが「盗品」であると警察に届けを出したという。

 ヴァレンティノ側としては、ガガに貸し出したはずのドレスの所有権を知らない所で勝手に獲得し、オークションに出品して利益を得ようとしたサラの行動を良く思っておらず、世界に1着しか無いドレスを返却して欲しいということのよう。

 この件に関して、現時点では、ガガ本人からの反応は無いが、ヴァレンティノ側が届けを出した後も、オークションは予定通り続行している。

 ネイト・D・サンダースの担当者は、「ドレスは正当な手続きを経て出品されたもの」であるとTMZにコメント。ある意味“いわくつき”のドレスが、最終的にいくらで競り落とされることになるのか、世間の注目が集まっている。(フロントロウ編集部)

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