※この記事は映画『ジョーカー』のネタバレを含みます。
現実と妄想が入り混じる映画『ジョーカー』
DCコミックスの有名悪役であるジョーカーをホアキン・フェニックスが演じて世界中で大ヒットしている映画『ジョーカー』。
その中でも、観客が一気に“アーサー・フレックの頭の中”に引き込まれたシーンといえば、アーサーの恋人として描かれていたソフィーが、すべてアーサーの妄想だったと判明した場面。
その時にはすでにアーサーはサラリーマン3人を射殺した経験があり、ソフィーの家にアーサーが乗り込んだ後、ソフィーも殺されたかどうかが気になるファンも多くいた。
そんなファンの疑問について、今作のフォトグラファーを務めたローレンス・シャーは「(映画に関して)この先も絶対に話さないこともあるけど」としたうえで、米Slash Filmで明言した。
「多くの人は僕に、『彼女は殺されたの?』って聞いてきたんだ。でもトッド・フィリップス監督は、彼女が殺されてないことを明らかにしてるよ」
アーサーはソフィーを殺していない。そうハッキリと明言したローレンス。そして、映画を見たファンなら納得の理由を続けて話した。
「アーサーは、自分を不当に扱った人々を殺す。そして、ソフィーは彼を不当に扱っていない。僕たちは(劇中での)現実と現実でないものを表すために、伏線を回収したし、2つを鏡写しにしたシーンがいくつもあるよ」
『ジョーカー』は、現代社会が抱える社会問題をジョーカーというキャラクターを通して描いたことで、高い評価を得ている。ジョーカーはただの殺人鬼ではなく、社会がジョーカーを作り上げたという視点で描かれた今作において、もしジョーカーが実際には関わりのないソフィーを殺していたら映画の芯からブレた表現になってしまうと監督は考えたよう。
ちなみに、現場でホアキンの写真を間近で撮り続けたローレンスは、ホアキンにブチ切れられているところが動画で流出したことがある。(フロントロウ編集部)