インスタグラムの新しい試み
写真共有SNSのインスタグラムが、新規アカウントを作成するユーザーに対して、生年月日の記入を義務づけを開始する。すでに利用規約に同SNSを利用できるのは13歳以上と明記されてきたが、これまで年齢の記入が不要だったため、ティーンエイジャーに満たないユーザーも多く存在してきた。
今回の義務化を受け、設定した生年月日がアプリ上で公表されることはないが、インスタグラムに表示される広告に影響が出るとの見方がされており、例えば、アルコールを買うことが法律で許される年齢に満たないユーザーには、アルコールの広告が非表示となる。その一方で成人したユーザーにはそれらが表示されることが、一部で懸念されている。
また、今回インスタグラムは、ダイレクトメッセージについてもを変更点を提示した。今後はユーザーがフォローしている相手だけがメッセージにアクセスできる設定が可能に。これを通して、見知らぬ人からの連絡やスパム、危険なメッセージからユーザーを守る効果を期待しており、数週間のうちに導入されるという。
世界中の人々と簡単に繋がることができる便利なSNSの中でも、とくに高い人気を誇るインスタグラム。しかしその一方で、個人情報を簡単に得ることができるためプライバシー侵害の危険性や不安、うつ、自己認識、ボディイメージに最も悪影響を及ぼすSNSであるとの研究(※)が発表されるなど、課題が残っている。
※イギリスのRoyalSociety for Public Healthが2017年に行なった調査。
今年に入りインスタグラムは“より良い心身の健康”のために、続々と機能を変更。自分がフォローしているアカウントが「いいね」した、またはコメントを残した投稿について知らせるアクティビティを追跡する機能を停止し、未成年のユーザーには、ダイエットや美容整形を促す広告の表示を制限。今年10月には「整形を彷彿とさせる加工」が施されたフィルターの制作の禁止を発表。いいね!の数を非表示にする実験も世界的に行なわれており、今後本格的に導入するか検討されている。
そして今回、ユーザーの年齢に沿ったサービスを提供するために、年齢制限の強化に踏み切ったインスタグラム。ちなみに日本のスマホユーザーの大半が使っているLineは年齢制限の代わりに利用推奨年齢を12歳からと設定しており、Twitterは17歳以上という年齢制限を設けている。(フロントロウ編集部)