元ディズニー・チャンネル・スターが人種差別を経験
12月中旬、ディズニー・チャンネルのテレビドラマ『ジェシー!』への出演で知られる俳優のカラン・ブラーが、人気コーヒーチェーンのスターバックスの店舗で人種差別を受けたことを明かした。
「こんにちは、スターバックス。君のところのバリスタは、僕が注文した際に、名前を一切聞くことなく、その代わりに『Raj』と書いてきた。クソみたいなバイアスがかかった研修は上手くいってないみたいだぞ。もっとちゃんとやれ」
欧米などのスターバックスでは、ドリンクをオーダーする際に店員がカスタマーの名前を聞き、それをカップに記入し、商品が出来上がったときにそこに書かれた名前で呼ばれることが多い。
しかしインド系アメリカ人であるカランは、名前を聞かれることなく、インドの男性の名前としてよく使われる「Raj」という名前をカップに書かれたことを明かした。
人を見た目でステレオタイプに当てはめて扱うことは、人種差別。バリスタがとった理不尽な対応に、カランは“でたらめ”を意味する「bullshit」というかなりキツい言葉を使って非難。
この投稿には、新旧のディズニー・チャンネル・スターたちが反応。ペイトン・リストが「気色悪い」とコメントし、スカイ・ジャクソンが「クールじゃないね、やれやれだわ」、マイロ・マンハイムが「呆れるね」と書き込むなど、多くのセレブがスターバックスからカランへの対応に不快感をあらわにした。
ダイバーシティ・トレーニングが進んでいるが…
カランが投稿で「クソみたいなバイアスがかかった研修」と切り捨てたのは、スターバックスが2018年に実施した「ダイバーシティ・トレーニング(Diversity Training)」のこと。
あるスターバックスの店舗で、黒人男性が友人の到着を待っていたため何もオーダーせず店内に座っているのを見たスタッフが、警察に通報。この男性と友人が逮捕された。このできごとが人種差別的だと批判されたことを受けて、スターバックスは直営店8,000店を一時閉店。約17万5,000人の従業員に人種差別防止のための教育を行なった。
このようなダイバーシティ・トレーニングとは、多様にある人種・性別・年齢・性的指向・身体的な特徴、価値観や宗教を理解して、どのように対応すべきかを従業員に教育する研修。いままで以上に多様性を受け入れることが求められる現代において、ダイバーシティ・トレーニングを実施する大手企業が増えている。
人気コスメ専門店のセフォラでは、アフリカ系アメリカ人であるシンガーのシザが買い物をしていたところ、万引きを疑われるハプニングが起き、シザは自身がアフリカ系アメリカ人であることが理由で疑われたと感じたとコメント。これを受け、セフォラは400店舗以上を休業し、1万6,000人の従業員に対して、ダイバーシティを含むブランドの倫理観についてのトレーニングを行なった。(フロントロウ編集部)