ハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)が主催する映画とテレビの祭典、第77回ゴールデン・グローブ賞が開幕。世界中が見守る大型の授賞式では、社会問題がスピーチに盛り込まれることが多いけれど、2020年ゴールデン・グローブ賞でザ・ビバリー・ヒルトンのステージに立った受賞者たちがスピーチで語ったこととは?最も取り上げられたテーマをご紹介。(フロントロウ編集部)

オーストラリアの山火事

どんな問題?
2019年12月17日に全国平均気温が40.9℃と観測史上最高を記録したオーストラリアでは、大規模な森林火災のせいで、被害の大きいニューサウスウェールズ州だけで5億匹の動物が犠牲に。国内に生息するコアラの30%が死亡して、絶滅の危機に向かっていると心配されている。

ラッセル・クロウ(リミテッドシリーズ/テレビムービー部門主演男優賞 受賞)

※母国オーストラリアに自宅があるラッセルは火災のため式典は欠席。

「オーストラリアで起こっている悲劇は、間違いなく気候変動がベースにあります。科学に基づいた行動をし、労働力を再生可能エネルギーに寄せ、ユニークで素晴らしい場所である私たちの惑星をいたわりましょう」

エレン・デジェネレス(キャロル・バーネット賞 受賞)

画像: エレン・デジェネレス(キャロル・バーネット賞 受賞)

「オーストラリア、愛しています。オーストラリアで被害にあわれている方々と、失ってしまったすべての動物のことを思い、心を痛めています」

ピアース・ブロスナン(プレゼンター)

画像: ピアース・ブロスナン(プレゼンター)

「ゴールデン・グローブとHFPAに関わる全員が、オーストラリアの山火事の被害にあわれた方々のことを思っています。強くいてください」

 ほかにも、ドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』で主演女優賞にノミネートされていたオーストラリア出身の俳優ニコール・キッドマンが授賞式前のイベントで被害の大きさを思い涙したり、主演ドラマ『Fleabag フリーバッグ』が主演女優賞と作品賞の2冠に輝いたフィービー・ウォーラー=ブリッジが授賞式で着たドレスをチャリティオークションに出品することを発表したりと、多くのセレブがオーストラリアで起きている大規模な山火事に心を痛めていた。

気候変動

どんな問題?
地球の平均気温が1.5度上昇すると温暖化の連鎖が止められなくなると言われており、現在のスピードでCO2の排出を続けると、「1.5度の壁」の突破につながるCO2排出量の限界値に約8年で到達してしまうとされている。IPCC(気候変動政府間パネル)は各国に再生可能エネルギーへの“前例のない移行”を求めているけれど、国によって対応に温度差があるなど、足並みがそろっていない。

ホアキン・フェニックス(映画部門ドラマ主演男優賞 受賞)

画像: ホアキン・フェニックス(映画部門ドラマ主演男優賞 受賞)

「自分自身が責任を負い、犠牲を払って変化を起こすことも時には必要です。我々にはそれが出来ることを願う。パームスプリングスに行くためにプライベートジェットを使わなくてもいいじゃないですか。頼みます。私は自分の行ないを改善します。あなた方もそうしてくれることを願います」

妊娠中絶

どんな問題?
アメリカでは妊娠中絶は国を二分する問題。ドナルド・トランプ政権のもと最高裁の判事に中絶反対派の多い保守派が増えたことを受け、2019年に入り、妊娠中絶を禁止・制限する州が続出。1973年に妊娠中絶を認めた最高裁の判決が揺るがされそうになっている。

ミシェル・ウィリアムズ(リミテッドシリーズ/テレビムービー部門主演女優賞 受賞)

画像: ミシェル・ウィリアムズ(リミテッドシリーズ/テレビムービー部門主演女優賞 受賞)

「自分の選択を認めてもらえることや、選択が存在する社会に生きられていることに感謝しています。なぜなら、女性や女の子には、自分が選択できないことが身体に起こることがあるから。

私は、自分自身で人生を作り出すよう心掛けてきました。出来事が起こるのを眺めるのではなく、距離を取って眺めてみたときに自分の筆跡が確認できるような。ときに乱雑で、時に注意深くて正確に、自分自身の手で形づくられたもの。そう私ができたのも、女性の選ぶ権利があったからこそ。しっかりとしたサポートとバランスがあると感じたタイミングで、いつ、誰との子供を産むかという選択がね。母親ならばわかるでしょうが、天秤は子供の方に寄ってしまいますからね。

私の選択はあなたの選択とは違うかもしれません。でもありがたいことに、私たちの国は、私には私の信じるものを、あなたにはあなたの信じるものをもとに生きる自由があるという考えをもとに作られました。

だから18歳から118歳の女性のみなさん。投票をするときは、自分の利益のために投票してください。男性は長年そうしてきました。だからこそ、世の中は多くの場面で彼らを表しているのです。しかし私たちがこの国最大の投票層であることを忘れないでください。もっと私たちを表す世の中にしましょう」

イランとの問題

どんな問題?
ドナルド・トランプ米大統領の指示で、2019年12月に米軍がイランで英雄とされるソレイマニ司令官を殺害。イランは報復を宣言し、ツイッターでは一時、「第三次戦争」がワールドトレンド入りした。トランプ大統領は「イランの52カ所を標的にしている」とツイートするなど、強硬姿勢を取りつづけている。

パトリシア・アークエット(リミテッドシリーズ/テレビムービー部門 助演女優賞)

画像: パトリシア・アークエット(リミテッドシリーズ/テレビムービー部門 助演女優賞)

「歴史本では(今夜は)我々の国アメリカ合衆国が戦争の瀬戸際に立っていた日とされるでしょう。大統領は文化遺産を含む52の場所を爆撃するとツイッターで脅しています。世界中で若者が命を犠牲にしています。自分たちの子供の頭上に爆弾が落とされるのか心配している人がいます。そしてオーストラリアは燃えています。

私は自分の子供たちを愛しています。あなたたちに懇願したい。子供たちや彼らの子供たちのためにもっと良い世界にしてくださいと。私たちは2020年に投票しなくてはいけません。そして、知っている人全員にも投票にいくようお願いしなくてはいけません」

 今回の第77回ゴールデン・グローブ賞を皮切りに、2020年の賞レースが幕開け。1月に放送映画批評家協会賞、全米製作者組合賞、全米映画俳優組合賞、グラミー賞、2月に全米脚本家組合賞、英国アカデミー賞、アカデミー賞など、続々と大型授賞式が執り行われる。詳細はフロントロウ編集部のアワード特集で追って。(フロントロウ編集部)

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