監督のオリヴィア・ワイルドが、女性俳優がヌードにならなくてはいけない撮影現場では、「新しい標準」ができるべきだと話した。(フロントロウ編集部)

女性が裸の撮影では、もっと配慮を

 映画『トロン: レガシー』や『リチャード・ジュエル』などへ出演する俳優であり、2019年公開の映画『Booksmart(原題)』を監督したオリヴィア・ワイルドは、自身が映画を監督するにあたって、あることに気を払ったと、米Yahooに語る。

画像: 『Booksmart(ブックスマート)』監督のオリヴィア・ワイルド(左)、主演のケイトリン・ディーヴァー(中央)とビーニー・フェルドスタイン(右)。

『Booksmart(ブックスマート)』監督のオリヴィア・ワイルド(左)、主演のケイトリン・ディーヴァー(中央)とビーニー・フェルドスタイン(右)。

 それは、労働環境。すべての俳優やスタッフにとって快適で、効率の良い環境を作ろうと行動したオリヴィアは、「これまで男性たちがやってきたように自分もするの?それとも、自分のやり方で?私は自分のやり方で出来る」と決意したという。

 そんなオリヴィアが、とくに気にしたのは、俳優がヌードにならなくてはいけないシーン。

 自身も俳優として何作もの作品に出演してきたオリヴィアは、女性俳優たちのために、セットには必要最低限のスタッフだけの入室を許可し、裸でいる間の撮影はセキュリティも強化したという。

 すべての関係者に、そういったシーンの撮影でするべき配慮を“教える”ことも目的としていたというオリヴィアは、その後、女性俳優たちに、「撮影現場では次から、今日私があなたたちにしたレベルのことを要求してね」と話したそうで、これがヌードシーンでの“新しい標準”だと語った。

画像: 女性が裸の撮影では、もっと配慮を

女優たちを苦しめる裸での撮影

 これまでも多くの女性俳優が、ヌードでの撮影における苦痛を明かしている。

 大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』でメインキャラクターを演じたエミリア・クラークは、キャリア当初はヌードシーンを拒否できずにトイレに行っては泣き、キャリアを積んでやっと、自分のしたくないヌードシーンは拒否できるようになったと明かしている。

 これを聞いた男性コメディアンのダックス・シェパードは、エミリアが主導権を握れるようになったことを称賛。女性が裸にならなくてはいけないことと、男性のそれとは、まったく別物だとし、撮影スタッフには男性が多いこと、そして女性の裸は自慰行為の対象にされやすいことを挙げ、ヌード撮影における女性への負担を指摘した。

画像1: 女優たちを苦しめる裸での撮影

 エミリアだけでなく、ドラマ『ワン・トゥリー・ヒル』のソフィア・ブッシュも、不必要なヌードシーンを脚本に加えられ続けていたと明かしており、物語に関係なく、女性が性的なモノとして扱われる結果としてのヌードシーンに苦言を呈した。

画像2: 女優たちを苦しめる裸での撮影

 女性がヌードで臨む撮影現場での対応は、日本でも問題となっている。

 モデルの水原希子は、20代前半のころに受けた広告の仕事で、裸の撮影の時にだけ20人ほどの男性社員が撮影現場を訪れ、彼女が嫌だと言っても撮影が強いられたことがあると告発している。(フロントロウ編集部)

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