Photo:ゲッティイメージズ、ニュースコム、スプラッシュ/アフロ
映画『スキャンダル』のもとになった、2016年にアメリカのFOXニュースで実際に起きたセクハラ事件についておさらい。登場人物を含め映画では一体どのくらい再現されている?(フロントロウ編集部)

全米を震撼させた実際のセクハラ事件とは

 2016年、アメリカのニュース放送局で視聴率ナンバーワンを誇るFOXニュースの看板ニュースキャスターの1人だったグレッチェン・カールソンが、米テレビ業界の帝王として君臨していたFOXニュースのCEO(※2016年当時)、ロジャー・エイルズをセクシャルハラスメントで提訴。

画像: ロジャー・エイルズ元CEO(左)とグレッチェン・カールソン(右)。

ロジャー・エイルズ元CEO(左)とグレッチェン・カールソン(右)。

 当初、エイルズ氏とFOXニュースはまったくの事実無根として、グレッチェンの主張を否定していたが、その後、グレッチェンの同僚で同じく人気ニュースキャスターのメーガン・ケリーを筆頭に、20名以上の女性社員たちがエイルズ氏による性的嫌がらせを告発したことで、エイルズ氏は同年にFOXニュースのCEOの座から退いた。

 グレッチェンによると、セクハラは日常的に行なわれていたそうで、エイルズ氏からの性的な誘いを断ったことを理由に、自分が担当する番組が視聴率の取れない時間帯に移動させられるなどの嫌がらせを受けたこともあったという。また、グレッチェンは裁判所に提出した書類のなかで、セクハラの件をエイルズ氏に直訴した際、「君とはもっと前に肉体関係を結んでおくべきだった。そのほうが君にとっても私にとってもベストなことだったと思う。(性的なつながりを持っていたほうが)問題があっても簡単に解決する」と言われたことを明かしている。

 FOXニュースの女性社員たちに対するエイルズ氏のセクハラが、いかに悪質なものであったかを物語るエピソードはこのほかにもたくさんあり、エイルズ氏のセクハラを告発した女性社員のなかには、性行為の模様を撮影した動画をエイルズ氏から送りつけられて、訴えを取り下げるよう圧力をかけられた者もいることが米TIMEの調べでわかっている。

 ちなみに、エイルズ氏は2016年にFOXニュースのCEOを退任したあと、長年の友人であるドナルド・トランプ米大統領のパーソナルアドバイザー(助言役)に就任するも、2017年にくも膜下出血により死去した。グレッチェンとは2016年に和解が成立しており、FOX側が約20億円の和解金をほぼ全額負担するかたちで決着がついた。セクハラの被害にあったほかの女性社員たちに対しても、同様の措置が取られたのかはわかっていない。

『スキャンダル』の登場人物は実在の人物?

 実際に起こったセクハラ騒動の裏側を描いた映画『スキャンダル』では、登場人物もほとんど実在の人物で、グレッチェン・カールソンを映画『めぐりあう時間たち』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したニコール・キッドマンが演じている。

画像1: 『スキャンダル』の登場人物は実在の人物?

 また、セクハラ騒動の中心人物の1人であるメーガン・ケリーを、映画『モンスター』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したシャーリーズ・セロンが熱演。本作でシャーリーズをメーガンそっくりに変身させたカズ・ヒロ氏は、今年のアカデミー賞でメイク・ヘアスタイリング賞を受賞した。

画像2: 『スキャンダル』の登場人物は実在の人物?

 ただし、本作でのメーガンの描写は真実と異なる部分が多いそうで、メーガン本人は映画のために脚色されたものだと主張している。

画像3: 『スキャンダル』の登場人物は実在の人物?

 ちなみに、マーゴット・ロビー演じる新人キャスターのケイラ・ポスピシルは、主要なキャラクターのなかで唯一、FOXで働いていた2人の女性の実際の体験談を組み合わせた架空のキャラクターで、エイルズ氏から現在進行形でセクハラを受けている対象として登場する。

映画『スキャンダル』あらすじ

 「TVは視覚メディアだ。スカートは短く」と傍若無人に女性社員たちにセクハラやパワハラともとれる発言を浴びせまくるのは、米FOXニュースのCEOでTV業界の帝王であるロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)。ベテランキャスターのグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)には「更年期の汗だくは醜い!」と暴言を吐き捨て、「メインを張りたい」と切望する新人キャスターのケイラ・ポスピシル(マーゴット・ロビー)に対しては、願いを叶えてほしいなら「忠誠心をみせろ」と言い放つ。その言葉の意味に困惑しながらも、これまで夢のために努力を積み上げてきたケイラは言われるがままついにロジャーの前でスカートをまくり上げ脚を晒すのだった。

画像: 映画『スキャンダル』あらすじ

 そんななか、我慢の限界に達したグレッチェンがロジャーを提訴。怒りを抑えられず怒鳴り散らすロジャーに、社内は騒然とした雰囲気に包まれる。巨大な権力に立ち向かうグレッチェンと、電話口で涙ぐむケイラ。そして「訴えても誰も信じないわ」と冷静に話しながらも、何か考えがある様子の人気キャスター、メーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)。立場も年代も違う3人のキャスターがプライドをかけ放つ真実とは…。

(フロントロウ編集部)

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