イギリス王室のロイヤルファミリーが実践している新型コロナウイルス感染予防対策に人柄がよく表れている。(フロントロウ編集部)

ロイヤルファミリーたちの「挨拶」に変化

 新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的感染拡大は、英ロイヤルファミリーの慣習にも影響をおよぼしている。

 先日、ウィリアム王子が、自分と妻のキャサリン妃が、公務として訪れる行く先々でたくさんの人と対面し、挨拶の際に握手を交わしていることから自分たちが「新型コロナウイルスを拡散してしまっている」とジョークを飛ばして話題になったが、その後、ロイヤルファミリーには、ウイルス感染&拡散防止のため、握手禁止令が敷かれたよう。

 3月9日にロンドンにあるウェストミンスター寺院で行なわれたコモンウェルス・デー(英連邦記念日)の式典では、参加したロイヤルファミリーの面々が握手を封じ、別の方法でゲストやパフォーマーらに敬意を表する姿が目撃された。

画像: ロイヤルファミリーたちの「挨拶」に変化

チャールズ皇太子は「合掌」

 まず、次期王位継承者であるチャールズ皇太子は、握手の代わりに胸の前で手を合わせて“合掌”をして挨拶。

画像: ©BBC

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 海外では、ヨガの基本挨拶でもあるインド式の「ナマステポーズ」だと称され、チャールズ皇太子の穏やかな人柄が感じられると評判となった。

画像: その後行なわれたレセプションでも合掌ポーズで挨拶。

その後行なわれたレセプションでも合掌ポーズで挨拶。


ヘンリー王子は「エルボー・バンプ」

 そして、チャールズ皇太子の次男で、同イベントが高位王族としては最後の公務となったヘンリー王子は、肘と肘を合わせる「エルボー・バンピング」もしくは「エルボー・バンプ」と呼ばれるジェスチャーで、同式典で歌声を披露したシンガーのクレイグ・デイヴィッドと挨拶。

 若者らしく、はつらつとしたイメージのこの挨拶は、新型コロナウイルス感染拡大を受け、欧米の政治家たちやビジネスマンたちの間でも人気となっている。

 しかし、WHO(世界保健機関)のテドロス・アダノム事務局長は、この「エルボー・バンプピング」について、対策としては不十分であるとツイッターを通じて明言。

 「誰かと挨拶を交わす際にはエルボー・バンプは避けたほうがいいでしょう。相手の1メートル以内に近づくことになってしまいますから。私はここのところ、挨拶の際には胸の上に手を置くようにしています」と忠告している。


エリザベス女王は「広めに距離をとる」

 キャサリン妃やメーガン妃といった女性のロイヤルたちが、基本的には握手を封じているものの、これまでと同様な親密な距離感を保っているのに対し、君主であるエリザベス女王は予防策を徹底。

 前週に行なわれた退役軍人への叙勲式では、過去の同式では見られなかった防寒用ではない白い手袋を着用して直接相手に触れることを避けていたほか、コモンウェルスデーの式典では、1メートル以上の距離をとって参加者と会話していた。

画像: ©Global News/ Youtube

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 英The Sunの報道によると、イギリス国内での新型コロナウイルス感染者数は321名、死者5名(現地時間3月9日付)。ヨーロッパ諸国の中では少ない部類に入るが、諸外国と同じく、見えない脅威に対する国民の不安は広がりつつある。

 そんな状況を踏まえ、エリザベス女王は、医療機関などからの強制勧告が無い限りは、「自らが手本となり、冷静沈着な態度を貫きつつ、できるだけ、これまで通り行動するつもり」のようだと王室関係者が英Daily Mailに証言している。(フロントロウ編集部)

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