ブライアンとドム友情の証、オレンジ色のスープラ
『ワイルド・スピード』は2001年から続く人気カーアクション映画。ファンからは『ワイスピ』という愛称で親しまれ、既に公開されている8作品の累計興行収入は、5,400億円を突破している。そんな本作の最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』は、2020年5月に公開予定だったものの、新型コロナウイルスの影響により2021年まで公開が延期中。
そんな『ワイスピ』シリーズの原点ともいえる第1作目の『ワイルド・スピード』では、2013年に自動車事故で他界したポール・ウォーカー演じる主人公ブライアン・オコナーの愛車、トヨタ スープラが登場。
オレンジ色に塗装されたこの日本車は、『ワイスピ』を代表する車と言っても過言ではないほど人気が高い。映画『ワイルド・スピード』では、ブライアンが1番最初に乗っていたライムグリーン色の三菱エクリプスを大破させてしまった後ゲットした車で、ヴィン・ディーゼル演じるドムと一緒に改造し友情を深めた大事な一台。
物語のラストでは、『ワイスピ』名物の「ゼロヨン」と呼ばれるレースをし、危機一髪の勝負後にパトカーが近づいてくる音を背後に聞きながら、ブライアンはドムにそのスープラの鍵を渡す。
その後ヴィンは続編となる映画『ワイルド・スピードX2』に参加しなかったけれど、3作目の『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』で最後に少しだけ出演。4作目の『ワイルド・スピード MAX』になってシリーズ本格復帰した。
けれども、ヴィン演じるドムは1作目の終わりであれほど感動的にもらったオレンジ色のスープラに、その後一度も乗っていない。それには、「ある理由」が隠されていた。
ブライアンのオレンジ色のスープラ、どこ行った?
その理由は、1作目と2作目の間に作られた短編ムービーに隠されていた。『The Turbo Charged Prelude for 2 Fast 2 Furious』というタイトルのこのムービーは、たったの6分間しかないうえに、セリフも無いけれど、とても濃密な内容。
映像は、1作目の直後から始まり、ドムにスープラの鍵を渡したブライアンが警察の追っ手を逃れ、各地のカーレースで賞金を稼ぎながら2作目の舞台となったマイアミまで辿り着くまでが描かれている。1作目の舞台がロサンゼルス、2作目の舞台がマイアミだったことの理由もここでわかる仕組みに。
そんな逃亡生活のなか、ブライアンはダイナーで食事をしている時、ドムが警察の追手から逃げている最中すでに警察に素性がバレているスープラを乗り捨てて逃げたことを知る。ブライアンの愛車というイメージが強いスープラに乗り続けることは、ドムにとっては危険すぎる行為だったのだ。実はこれが、ドムがその後一度もオレンジ色のスープラに乗れていない理由。ファンの間では「どこにいったのだろう」と言われていたスープラには、こんなエピソードが隠されていた。
しかしその後、シリーズ7作目の『ワイルド・スピード SKY MISSION』のクランク・アップ前、ブライアン役のポールが亡くなるいう悲劇が。その際ヴィンはポールへの追悼として、映画の中で白いスープラを起用。その車は、大の車好きだったポールが経営していたカーショップのものだったという。
そんな『ワイスピ』シリーズの最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』は、2021年公開。(フロントロウ編集部)