ザ・ウィークエンドがアリアナ・グランデに感謝
3月20日にリリースした約4年ぶりのフルアルバムの『アフター・アワーズ(After Hours)』が全米および全英のアルバムチャートで初登場1位を獲得したシンガーのザ・ウィークエンドが、米Variety誌最新号に登場。
表紙を飾った同誌のインタビューのなかで、かつてコラボ曲をリリースしたシンガーのアリアナ・グランデへの感謝の思いを口にした。
ご存知の方も多いと思うが、ザ・ウィークエンドとアリアナは、ザ・ウィークエンドが共同作曲者に名を連ねた2014年の楽曲「ラブ・ミー・ハ―ダー(Love Me Harder)」で共演。
この曲は、アリアナのブレイクを決定づけた同年リリースのアルバム『マイ・エヴリシング(My Everything)』に収録されるとともに、全米チャートで最高7位にランクインし、当時まだ、メジャーではなかったザ・ウィークエンドの名前や歌声を世界中に知らしめることとなった。
キャリアを開花させてくれた「ある人物」との出会い
チャートにおける成功もさることながら、アリアナとのコラボは、ザ・ウィークエンドにとって、「ラブ・ミー・ハーダ―」のヒットよりも重要な利益をもたらしていた。
それは、アリアナの『マイ・エヴリシング』の収録曲の多くに携わった大物プロデューサー、マックス・マーティンとのコネクションを築くことができたということ。
スウェーデン出身のマックスは、音楽業界では知らない人はいない超ヒットメーカー。1990年代から現在にいたるまで、バックストリート・ボーイズ、ブリトニー・スピアーズ、セリーヌ・ディオン、ピンク、テイラー・スウィフト、アヴリル・ラヴィーン、レディー・ガガ、ケイティ・ぺリー、クリスティーナ・アギレラ、マルーン5、エド・シーランなどなど、現代音楽界を彩るさまざまなアーティストの楽曲に携わり、成功へと導いてきたことで知られる。
そんなマックスを含む作曲家チームと「ラブ・ミー・ハ―ダ―」を共同制作したザ・ウィークエンドは、第58回グラミー賞の年間アルバム部門にノミネートされた自身のセカンド・アルバム『ビューティー・ビハインド・ザ・マッドネス(Beauty Behind the Madness)』(2015年)の収録曲「キャント・フィール・マイ・フェイス(Can’t Feel My Face)」や「インザ・ナイト(In the Night)」でマックスとコラボ。
以来、2016年にリリースしたサード・アルバム『スターボーイ(Starboy)』、そして最新アルバム『アフター・アワーズ』でもマックスと再びタッグを組んでいる。
新たなチャプターへの一歩を後押し
自身の成功がマックスの力添えあってからこそだと自負しているザ・ウィークエンドは、マックスと引き合わせ、ミュージシャンとして新たなチャプターに踏み出す手助けをしてくれたアリアナに感謝していると、Varietyとのインタビューでこう語った。
「アリアナはマックスと僕が繋がる足がかりを作ってくれた。マックスに対して『僕はこんな戦い方だってできる』って証明するチャンスをくれたんだ」
アリアナとの共演によりマックスと仕事をする機会を得たものの、じつは、「最初に一緒に仕事をした時は、僕とマックスはそんなに気持ちが通じ合うって感じじゃなかった」とも告白したザ・ウィークエンド。
しかし、その後、彼がマックスに自分の底力を見せつける出来事が。「誰かがマックスを僕のハリウッド・ボウルでの公演に呼んでくれて、そこで1万5千人もの観客たちが僕と一緒になっているのを見たマックスが、『オーケー、これは、自分にはまだ理解できていない何かがある』と感じてくれたみたいで、僕らは、もう一度、膝をつき合わせたんだ。それで初めて作ったのが、『イン・ザ・ナイト』だった」と、マックスとのパートナーシップの始まりについても振り返った。
マックスも制作に参加したザ・ウィークエンドの最新アルバム『アフター・アワーズ』は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛要請などの影響により、予定通りプロモーション活動ができなくなってしまったことから、当初、アルバムの売り上げが落ち込むことを懸念したレーベル関係者から発売延期を薦める声もあったが、そんな心配を覆し、好調なセールスを記録している。(フロントロウ編集部)