大人気シリーズ『ワイルド・スピード』
『ワイルド・スピード』は2001年から続く人気カーアクション映画。日本のファンからは『ワイスピ』という愛称で親しまれ、既に公開されている8作品の累計興行収入は、なんと5,400億円を突破している。
最新作にしてシリーズ9作目の『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』は、1月31日に予告編が公開されるやいなや、24時間で5億回の再生回数を達成するという人気ぶりを発揮。しかし残念ながら新型コロナウイルス流行の影響により、公開日が2021年へと約1年間の延期となってしまった。
そんな本シリーズでヴィン・ディーゼル演じるドムの愛車は「ダッジ・チャージャー」。シリーズで初登場した際は、その見た目のインパクトで観客を魅了した。
ダッジ・チャージャーってどんな車?
ダッジ・チャージャーとは、その名の通り自動車ブランドのダッジのチャージャーという車。ダッジは、自動車メーカーのフィアット・クライスラー・オートモービルズ社の1部門で、「ラム」や「ストラトス」など、日本ではあまり耳慣れないけれど、非常に魅力的な車を扱っている。
『ワイスピ』でよく登場するのは、そんなチャージャーのB-Bodyタイプの第1世代というもので、1960年代に販売されていた。V型8気筒エンジンを使っていて、時速100Kmまで6秒で加速できるという。
そして、ドムの車のボンネットの上に乗っていた不思議な機械は「スーパーチャージャー」というもので、エンジンにより多くの空気を送り込むもの。そうすることで、通常の2倍の900馬力というパワーで、400メートルを9秒で走る。
ちなみにこういったレトロでパワーを持つ車のことを「マッスルカー」と呼び、現代でもファンが多い。ドムの車は、アメリカの車ということもあり、日本では滅多に目にすることができない。
『ワイスピ』の代名詞、ドムの愛車ダッジ・チャージャー
『ワイルド・スピード』シリーズでは、ドムの愛車としてそんなダッジ・チャージャーが登場する。ドムがこの車に乗っている理由は、ファンはご存知の通り「父親の形見」だから。
しかし、なんとシリーズ第1作目の『ワイルド・スピード』の制作段階では、ドムの父親の車は別の車種だったと、技術顧問のクレイグ・リーバーマンが自身のYouTubeチャンネルで明かしている。
クレイグは脚本に取り掛かる前、全てのキャラクターに車を割り当てていたそう。当初の予定では、本作はストリートレースに忠実に、正確に描こうとしていたため、ほとんどのキャラの初登場時の愛車は別のものだった。
気になるドムの当初の愛車となる父親の形見は、ビュイック・リーガルという車。自動車メーカーGM社のビュイックというブランドから販売されている「リーガル」という車の中でも、1990年代に販売されていた車で、実際にドムが映画で乗っていたダッジ・チャージャーとは明らかに違っていた。
ちなみに、ドムの妹であるミアも「アキュラ・NSX」ではなく「ホンダ・アコード」で、「三菱・エクリプス」で登場したブライアンは「トヨタ・スープラ」など、劇中での登場人物の車は初期設定とは異なったものが使用された。
もし、ドムの父親の肩身がビュイック・リーガルだったら、物語やキャラクターの印象は違うものになっていたかもしれない。そう考えると、物語においての車種選択は非常に重要なものだということがわかる。
『ワイスピ』シリーズの最新作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』は、2021年公開。次作ではいったいどんな車で楽しませてくれるのだろうか。(フロントロウ編集部)