2020年4月25日から5月6日は東京プライドウィーク。さらに、毎年6月は多くの国でLGBTQ+コミュニティへの理解を深めるプライド月間になっている。そこで、LGBTQ+を扱った映画を厳選してご紹介。今回は、女性同士の恋愛編。(フロントロウ編集部)

『キャロル』

 ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラが主演を務めた切ないラブストーリー。1950年代を舞台に、ニューヨークのデパートで働きながら写真家を目指すテレーズと、すでに結婚しているが夫婦間は冷え切り、娘がいるキャロルが運命的な出会いを果たす。2015年に公開され、すぐに「女性同士の恋愛を扱った映画」の歴史の中でも最も愛される作品の一つに殿堂入りした。


『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』

 ジュリアン・ムーアとエレン・ペイジが主演を務め、同性パートナーという立場に真っ直ぐ向き合った作品。ベテラン刑事のローレルは年若い女性のステイシーと出会い恋に落ちるも、その後病気が判明。余命半年と宣告された2人は遺族年金の権利を勝ち取るために立ち上がり、その動きは社会的な運動に発展する。本作は実際の出来事をもとにしている。ちなみにエレンは2014年にカミングアウトしており、ダンサーのエマ・ポートナーと結婚している。


『ラフィキ ふたりの夢』

 カンヌ国際映画祭史上初のケニア作品出品。同性愛が禁じられたケニアでの少女たちの初恋の様子を描いており、なんと本国では上映禁止の本作。それにもかかわらず、カンヌ国際映画祭では「ある視点」部門に選出された。同性同士で恋に落ちることの厳しさをストレートに描いており、心が痛む。ケニアのカルチャーを感じさせる色使いは非常にスタイリッシュ。


『マンハッタン恋愛セラピー』

 兄の妻と仲良くなった妹が、自分の本当の思いに気づいて…⁉︎というドタバタのラブコメディ。主演はヘザー・グレアム。30歳にして自身のセクシュアリティに気づく、遅れてきた思春期モノとして、気負わずに見られる一作。自分の恋心に気づいてからの妹の猪突猛進ぶりは、微笑ましいほど。


『パーフェクション』

 Netflixオリジナル映画。2人のチェロ奏者を襲う悲劇を二転三転するスリリングなストーリーで描き出している。主演は『ゲット・アウト』のアリソン・ウィリアムズ。恋に落ちる女性は、どちらも映画『セッション』のように厳しい訓練を受けてきた。そんな2人が巻き起こす、おぞましいほど強烈な師弟関係へのアンチテーゼ。グロテスクなシーンが多いため、注意が必要。


『アデル、ブルーは熱い色』

 カンヌ国際映画祭で史上初、パルムドールが主演女優2人に贈られ話題を集めた作品。教師を夢見る高校生アデルが、運命的に出会った青い髪の画家エマと激しい恋に溺れ、すれ違っていく様子を描いている。本作は、レズビアンのセックスシーンを濃厚かつリアルに描いたことでも話題を呼んだ。誰もが恋愛で経験するような不安定さが心に重く響く。


『キッズ・オールライト』

 本作は、既に2人の子供を持つレズビアンカップルを描いている。ありふれた日常を送る中、ある日子供たちが、ふたりの母親に精子を提供した男性に会いに行ったことで、 家族に危機が…。一つの家族の形を提示してくれるところや、性の流動性をリアルに描き出しているところに深みがある。


『中国の植物学者の娘たち』

 物語は、1976年に中国を襲った唐山大地震で両親を大地震で失い、孤児院で育った孤独な女の子のミンが、植物学の研修のために孤島の植物園を訪れ、そこで植物学者の娘のアンと出逢い、恋に落ちるストーリー。草の香りや湯気の暖かさを感じそうな繊細な映像美が素晴らしい。しかし、中国では同性愛が禁じられているため、2人を残酷な現実が襲う。


『恋のミニスカウエポン』

 「女子高生版チャーリーズ・エンジェル」との触れ込みで公開されたコメディアクション。最高におバカな物語なので、気楽に見ることができる。ちなみに、「女子高生」という触れ込みにもかかわらず、登場人物たちは高校を卒業しているので、正しくは「女子大生」ではないかというウワサも。


『バウンド』

 『マトリックス』シリーズを監督したウォシャウスキー姉妹の初の監督作品。5年の服役を終えた泥棒の主人公コーキーとマフィアの情婦ヴァイオレットが恋に落ち、マフィアの金を奪って逃亡しようとするスタイリッシュアクションな一作。ストーリー自体面白いだけでなく、2人の恋愛関係も自然に描かれているところが素敵。


『お嬢さん』

 2016年に公開された衝撃作。サラ・ウォーターズの小説『荊の城』を原作として、舞台を日本統治時代の朝鮮に変更している。莫大な資産を抱えるお嬢様からそのお金を奪おうと近づく下女と詐欺師の男とお嬢様の叔父との四角関係を巡ったサスペンスストーリー。下女はお嬢様の境遇を徐々に知り、惹かれ合い、恋に落ちる。そこから下女が起こすアクションとお嬢様の関係は鳥肌もの。


『ハンパな私じゃダメかしら?』

 イラン人の女性でバイという2つのマイノリティとしての要素を抱える女性が主役の物語。意識の高いバイセクシュアルになろうとするも、すべてがハンパな20代女子のシリーンは、恋人のマキシーンとは別れ、家族にはカムアウトできず、子供向け映画教室の講師業は苦労ばかり。キラキラ輝いているだけではない女の子を等身大に描く。


『バトル・オブ・セクシーズ』

 「性別差別=セクシズム」を扱った本作は、米女子テニス選手ビリー・ジーン・キングが男子選手ボビー・リッグズを破った、有名な男女対抗試合を描く映画。エマ・ストーンがレズビアンのビリーを演じている。「男の方が女より優れている」などと言いたがる男性たちにも毅然と立ち向かう姿は圧巻。


『Go!Go!チアーズ』

 主人公のメーガンは、彼氏がいる17歳のチアリーダー。しかし、あることをきっかけに両親や友人、彼氏に “レズビアン疑惑” をかけられ、自覚がないまま強制的に「同性愛更生施設」へと送られる。しかし、周りの人々に助けられながら自分のセクシャリティに気づき、最後はハッピーエンド。自分らしく生きることの大切さを感じさせてくれる楽しい作品。

 女性同士が恋に落ちる作品は、まだまだたくさん。ラブコメだけでなく、アクションやホラーサスペンスなど様々な作品があるので、是非調べてみては。男性同士の恋愛を扱った作品15選はコチラ。(フロントロウ編集部)

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