現在Netflixで観賞可能な映画『コンテイジョン』で、あのシーンが本物の医学教授に直されていた。(フロントロウ編集部)

ふたたび注目を集める『コンテイジョン』

 新型コロナウイルスの感染拡大が世界中で深刻化し、死者数が23万人を超えるなかで、過去のフィクションがふたたび注目を集める事態となっている。1978年に発表された、感染率99%のウイルスの恐怖を描いた小説『ザ・スタンド』をめぐっては、ホラー界の巨匠スティーブン・キングが、「人々が、『うわ。スティーブン・キングの物語の中に住んでるみたいだよ』と言い続けてくるんですよね。私のそれに対する返事は、『ごめんなさい』しかないですよ」と謝罪するハメに

 そんななかで、スティーブン・ソダーバーグ監督の2011年の作品『コンテイジョン』も、Netflixなどの動画配信サービスで視聴数ランキングの上位にくるなど、ふたたび注目を集めている。『コンテイジョン』は、マリオン・コティヤール、マット・デイモン、ジュード・ロウやグウィネス・パルトロウ、さらにはケイト・ウィンスレットなど、多くの有名俳優が出演したスリラー映画。

画像: ⓒWARNER BROS. PICTURES / Album/Newscom

ⓒWARNER BROS. PICTURES / Album/Newscom

<あらすじ>
香港への出張旅行を終えたキャリアウーマンのベス(グウィネス・パルトロウ)は、空港で電話をしながら時折咳き込んでいた。風邪の引き始めだと思っていたが、その2日後に突然激しい痙攣(けいれん)を起こして意識不明に。ベスの夫ミッチ(マット・デイモン)は、彼女を急いで病院に連れて行くが、未知の病気で劇症型脳炎を発症しており、そのまま死亡してしまう。同じころ香港、ロンドン、東京で似たような症状で亡くなる人が続出。フリージャーナリストのアラン(ジュード・ロウ)は伝染病ではないかと疑い始め…。

医学教授に直されたシーンとは?

 作中では、接触感染の危険性やパニックになった人々による買い占め、学校閉鎖による育児の問題などの多くの描写が、新型コロナウイルスに右往左往する現在の社会の様子に酷似していると話題になっている。そんな『コンテイジョン』では、医学的な正しさを守るために、複数の医学的なプロフェッショナルにアドバイスをもらっていた。コロンビア大学の感染・免疫研究所で所長を務めるW.イアン・リプキン医師もそのひとり。

 そんなリプキン医師が、制作陣の説得にも折れずにきっぱりと変更をアドバイスしたシーンがあると、米Daily Heraldに明かす。それは、ジェニファー・イーリー演じるアリー・ヘクストール医師が、ワクチンを急いで打つシーン。当初このシーンでは、アリーは服をまくり上げずに、服の上から注射をしていたという。しかしそれを見たリプキン医師は、こう一刀両断。

「彼女は本当に急いでいたんだから、あれは大丈夫ですよねと私を説得したかったみたいですがね。私は『いいえ。ダメです。彼女はそこまで急いでいないですし』と言いました」

画像: ジェニファー・イーリー演じるアリー・ヘクストール医師。 ⓒWARNER BROS. PICTURES / Album/Newscom

ジェニファー・イーリー演じるアリー・ヘクストール医師。ⓒWARNER BROS. PICTURES / Album/Newscom

 スリラー映画やパニック映画でよくある、ワクチンや解毒剤などの注射を、服の上から急いで打つシーン。よくよく考えれば、布越しに注射を打つのは確かにおかしい。しかし『コンテイジョン』で描かれた息もつかせぬ展開では、ソダーバーグ監督は急いで注射を打つ定番シーンが欲しかったよう。とはいえ、そのキャラクターは医師であるアリー・ヘクストール。医師であるキャラクターに、そんな医療知識が抜けた行動はさせられなかったようで、結局そのシーンは作り替えられた。(フロントロウ編集部)

 記事内の人物名に誤記があったため修正致しました。

This article is a sponsored article by
''.