人種差別撤廃を求める抗議活動がアメリカ国内で激化するなか、米ウォルト・ディズニー・カンパニーが全社員に向けて送ったメッセージの中で「ある事」を約束した。(フロントロウ編集部)

ディズニーが人種差別問題に言及

 黒人男性のジョージ・フロイドが白人の元警察官(※)デレク・ショービン容疑者に殺害された事件をうけて、黒人に対する暴力や差別の撤廃を訴える抗議運動「Black Live Matter/ブラック・ライヴズ・マター(黒人の命にも価値がある)」がこれまで以上に活発化するなか、“夢の国”として世界中の人たちから愛されるディズニーランドを運営する米ウォルト・ディズニー・カンパニー(以下ディズニー)が、社員に宛てて送ったメッセージの内容が話題になっている。
※事件後に懲戒免職となり、逮捕・起訴された

画像: ディズニーが人種差別問題に言及

 今年2月に米ウォルト・ディズニー・カンパニーの最高経営責任者(CEO)に就任したボブ・チャペック氏、同じく今年2月にCEOの座を退き同社の取締役会長に就任したボブ・アイガー氏、そして同社のチーフ・ダイバーシティ・オフィサーを務めるラトンドゥラ・ニュートン氏の三者が、連名で人種差別問題への思いを綴ったメッセージがコチラ。

 親愛なる社員のみなさまへ、

 つい先日起きたジョージ・フロイド殺害事件ならびに、現在、この国に蔓延する武器を持たない黒人への致命的な攻撃や嫌がらせの数々に対する“怒り”は、文化的背景を問わず、社員のみなさんを含むすべての人たちが行動を起こすきっかけを作っています。この怒りや悲しみの感情が引き金となり、私たちは“ある特定の人たちの命は他の人たちよりも価値が低く、尊厳や保護に値しない”という、理解に苦しむ考え方を変えるべく立ち向かおうとしています。 

 ここ最近多発している痛ましい事件は今に始まったことではありませんが、今まさにこの瞬間、これまでになかったことが起きています。人種差別に基づく不当な仕打ちの数々に加えて、(新型コロナウイルスによる)パンデミックによって差別と格差が浮き彫りになったことで、この問題がより広く知れ渡ったことが関係しているのでしょう。

 私たちもまた、この辛く悲しい事件が起きてしまった事実を受け入れることに苦しんでいます。残念ながら、私たちはすべての問題の答えを知っているわけではありませんが、私たちが持つ思いやり、創造的なアイデア、人として最低限の人間性を使って、人の痛みや気持ちがわかる文化を築くことを約束します。

 また、私たちはこれまで以上に、多様性(ダイバーシティ)と包括性(インクルージョン)への取り組みを強化することが求められているということも認識しています。

 これらの問題の解決策を模索するにあたって、私たちは率直かつ建設的に話を進めるための努力と支援を惜しみません。本当の意味での“変化”がもたらされるまで、私たちは今日に限らず、今後もこの問題についての会話を続けていくつもりです。

 ボブ・チャペック、ボブ・アイガー、ラトンドゥラ・ニュートンより

 数々の作品やプロジェクト、テーマパークでのかけがえのない体験を通して、いつの時代も多くの人に夢と希望を与えてきたディズニー。黒人に対する暴力や差別といった問題を今すぐに解決に導くソリューションはないが、会社として“人の痛みや気持ちがわかる文化”を築くことを約束すると同時に、「変化」という名の勝利を手にするまで、解決策を模索し続けることを誓った。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.