黒人差別に抵抗する「Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)」運動のデモ活動中に警察官にゴム弾で撃たれて負傷した少女のため、キム・カーダシアンが医療費の援助を申し出ている。(フロントロウ編集部)

デモ隊にゴム弾を使用する警察

 ここ数ヵ月で複数人の黒人が、武器も持たず無実でありながら白人警官に殺された事件を受けて、アメリカを中心に世界各地やオンライン上で黒人の命にも価値があると訴える「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)」運動や抗議デモが広がっている。

 アメリカでは先週、ミネソタ州ミネアポリスで白人の警察官に首を押さえつけられた黒人男性のジョージ・フロイドが亡くなるという事件が発生したほか、今年2月にはアマード・アーベリーが非武装でジョギングしていたところを殺害され、3月にはブリオナ・テイラーが別の容疑者の住所と誤って自宅に侵入した警察官によって殺害される事件が発生した。

 アメリカ全土で行なわれている抗議活動の多くが平和的なものである一方で、一部が店舗を襲撃するなど、暴徒化しているデモ隊も。警察がゴム弾や催涙ガスを用いながら暴徒化しているデモ隊の制圧にあたっている一方で、現場では平和的なデモ隊に対してもこれらの武器が用いられるなど、過剰な制圧が行なわれおり、警察の対応が問題視されている。

画像: 6月1日にカリフォルニア州で撮影。

6月1日にカリフォルニア州で撮影。

 ショーン・メンデスやカミラ・カベロ、アリアナ・グランデら多くのセレブたちも抗議活動に参加しているなかで、シンガーのホールジーは先日、抗議活動の最中に警察からゴム弾で撃たれたことを報告。「私たちは平和的に手をあげ、違反ラインを超すことなくじっとしていた。彼ら(警察)は私たちに向けてゴム弾や催涙ガスを何度も発砲してきました。挑発をしていない市民たちに対してです。警察は何度も発砲した。私は2度当てられました。1度目は(ゴム弾の)弾で、2度目は弾の破片。そして何時間にもわたってガスを浴びせられました」と明かしていた。

画像: デモ隊にゴム弾を使用する警察

少女が至近距離からゴム弾で撃たれる

 そんななか、キム・カーダシアンは自身のTwitterにショッキングな画像(※閲覧にはご注意ください)を投稿。

 キムが投稿したのは、目がアザで開かなくなり、額の肉の一部が削れてしまっている少女の写真で、キムはこの写真について、「昨日、ミネアポリスの平和な抗議活動で警察官から発射されたゴム弾によって、10代の女子高校生は一生の傷を負うことになりました。額が削れてしまったのです。彼女は至近距離から撃たれました」と説明している。

 「すごく胸が痛むし、腹が立つ」と少女が受けた仕打ちへの憤りを示したキムは、「誰か、彼女に連絡が取れる手段を知らない?もし必要としていれば、ぜひ彼女の治療をサポートしたい」と少女への援助を申し出ている。

画像: 少女が至近距離からゴム弾で撃たれる

 少女が大きな怪我を負っている事実からも分かるように、実弾ではなくとも、ゴム弾だからといって決して安全だとは言えず、イギリスの医師会が発行するBMJが2017年に、ゴム弾を含む「動的な衝撃を与える発射体」によって怪我をした1,984人のデータを調査した研究結果によれば、そのうちの53人が亡くなり、300人が永続的な後遺症に苦しんでいるほか、生き残った人々のうちの71%が重傷を負っていたという。

 先日、キムは自身のインスタグラムに長文を掲載して、人種間の差別に対する怒りを綴っていた。

 何年にもわたって、無実の黒人男性、女性、子供が恐ろしく殺害されるたびに、哀悼の気持ちや怒りを表現するにふさわしい言葉を見つけようと努力してきましたが、私は自分の肌の色によって与えられている特権のために、これは自分が引き受けられるような闘いではないとしばしば感じていました。今日はそうは思っていませんし、今後もそう思うことはないでしょう。皆さんの多くと同じように、私は怒っています。『怒っている』では表現できないほどです。私は激怒していますし、嫌気がさしています。黒人であるがために、愛する人が殺害されたり、不当に隔離されたりする苦しみを味わっている母親や父親、シスター、ブラザーたちを見た時に感じる胸の痛みに疲れてしまいました。彼らが耐え抜いてきた痛みや苦しみを理解することや、体系的な人種差別に侵された世界のなかで生き延びることがどのようなものなのか、私は決して知ることはできませんが、あまりに長い間抑えられてきた彼らの声を広めるために、私自身の声を使うことはできます。

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(フロントロウ編集部)

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