カニエ・ウェストが動き出す
アメリカ・ミネソタ州でアフリカ系アメリカ人男性ジョージ・フロイドが、白人の警察官デレク・ショービン容疑者に殺害された事件以外にも、アメリカではこれまでも黒人が白人警察官に殺害されたり、白人だからといって罪を犯しても放置されたりする事例が多発してきた。
それを証明するように、Mapping Police Violenceが2019年に発表したデータによると、黒人が警察官に殺される確率は白人の3倍近く、さらに2020年にStatistaがまとめたデータによると、非武装の状態で警察官に殺される確率では黒人は白人の1.5倍とされた。
この人種差別的行為に抗議するために多くの人が声をあげ、ブラック・ライヴズ・マター(BlackLives Matter)運動や抗議デモの逮捕者の保釈金を肩代わりするためにクリッシー・テイゲンやザ・ウィークエンドなどの有名セレブや企業が寄付をするなか、カニエ・ウェストも動き出した。
カニエはドナルド・トランプ大統領派ということを度々明言しており、今回の件についてはこれまで動きを見せてこなかったが、代理人を通してジョージ・フロイド、ブリオナ・テイラー、アマード・アーベリーの遺族に寄付することを発表。
ブリオナ・テイラーは、白人警官に8発もの銃弾を撃ちこまれた黒人女性で、アマード・アーベリーは、ジョギング中に白人親子に射殺された黒人男性で、2人とも黒人だからという理由で警察から酷い仕打ちを受けることとなった。また、アマード・アーベリーを殺害した白人親子は数ヵ月、逮捕されないまま放置されていた。
アマード・アーベリー。
カニエは計2億2,000万円(200万ドル)を寄付すると発表しており、サポート金は遺族への寄付だけでなく、現在行なわれているアマード・アーベリーとブリオナ・テイラーの裁判や法的サービス費の負担や、地元シカゴで困窮している黒人が経営する企業への支援金も含まれているという。
さらにカニエは、ジョージ・フロイドの6歳の娘であるジアンナ・フロイドが大学へ行く際の費用を全て負担することも発表しており、529プランという大学費用のための投資口座を設立したよう。
また、カニエはこれまで一切抗議デモには参加してこなかったが、ついに地元シカゴのデモに姿を現し、大勢の人と一緒にデモを行なうところが目撃された。
Another shot of Kanye.. marching with protesters in Chicago @nbcchicago pic.twitter.com/VnmR01L578
— Trina Orlando (@TrinaOrlando) June 5, 2020
カニエの妻であるキム・カーダシアンは、早い段階から抗議デモや人種差別問題について反応しており、つい先日には抗議デモで警察にゴム弾を撃たれ大怪我を負った少女の治療費を肩代わりしてあげたいと申し出ていた。
そんな妻キムの後を追うようにカニエはセレブならではの莫大な金額の寄付をして、姿勢を示した。(フロントロウ編集部)