『ジュラシック・ワールド』シリーズのブライス・ダラス・ハワードが、『ジュラシック・パーク』の名セリフを使ってマスク着用を呼びかけた。アメリカでマスクを「する」「しない」が問題になっている理由とは?(フロントロウ編集部)
 ※この記事には、1993年の映画『ジュラシック・パーク』のネタバレが含まれます。

『ジュラシック・パーク』の名セリフで呼びかけ

 『ジュラシック・ワールド』シリーズでクレアを演じたブライス・ダラス・ハワードが、1993年公開の第1作目『ジュラシック・パーク』のあの名セリフを引用して、ファンにマスク着用を呼びかけた。マスク姿の写真をSNSに投稿したブライスは、こんなコメントを添えた。

「賢い女の子たちはマスクをする。賢い人々もマスクをする。マスクをつけることは、自分自身や自分が愛する人、そして自分の周りにいる人々を守ることになる」

 この、「賢い女の子(Clever girl)」といえば、『ジュラシック・パーク』で勇敢な飼育員マルドゥーンが、恐竜ラプトルに食べられる前に発した言葉。同作の名シーンからのセリフを引用して、ブライスは映画ファンに賢くマスクを着用するよう呼びかけた。

アメリカでマスクをしない人に理由がある

 日本では、新型コロナウイルスが流行る前からマスクをすることに抵抗がない人が多いけれど、ブライスが住むアメリカでは、マスク着用を巡って大きな反対も起こっている。

 その理由のひとつには、ドナルド・トランプ大統領がマスクをしないこともある。トランプ大統領はこれまでマスクをして公の場に姿を現したことがなく、トランプ大統領への支持を表すという理由から、マスクをつけないことを選ぶという市民の存在が米Wall Street Journalの取材で明らかになっている。

 また、新型コロナウイルスそのものを信じずに陰謀論を唱える人々も。トランプ大統領が新型コロナウイルスの責任は中国にあると主張したことで、トランプ政権支持者を中心に、新型コロナウイルスは欧米経済を衰退させるために中国が仕組んだものだとする陰謀論が強まった。そのため、政治的主張としてマスク着用を拒む市民がいる。

画像: ロックダウンに反対するデモの様子。(2020年5月15日にアメリカのペンシルベニア州で撮影)

ロックダウンに反対するデモの様子。(2020年5月15日にアメリカのペンシルベニア州で撮影)

 また、マスクをつけるつけないは個人の自由だとして、マスク着用を義務化した地域ではデモが発生しており、そのなかでもカリフォルニア州オレンジ郡の保健衛生局長は多くの嫌がらせを受けて辞任したほど。

 米ABCニュースが6月下旬に行なった調査によると、89%がマスクを着用したと答えてはいるものの、マスクの着用は大きな論争となっていることは事実で、ブライスだけでなく、新型コロナウイルスにかかり入院していた俳優のトム・ハンクスや、『プラダを着た悪魔』のアン・ハサウェイなど、多くの著名人がマスクを着用するよう呼びかけている。(フロントロウ編集部)

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