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米大統領選に出馬する意向を示しているカニエ・ウェストが、自分が国の長になったら、MCU映画『ブラック・パンサー』に登場する「ワカンダ」王国をお手本にした政府構造を築きたいと語った。(フロントロウ編集部)

カニエ・ウェスト「ワカンダ」みたいな政府にしたい

 11月に行なわれるアメリカ大統領選への出馬を表明しているラッパーのカニエ・ウェストが、もしも自身が当選し、大統領となった暁には、マーベル映画『ブラック・パンサー』に登場する架空国家「ワカンダ」をモデルとして、政府の組織構造を行ないたいと語った。

画像: カニエ・ウェスト「ワカンダ」みたいな政府にしたい

 出馬表明後、初となるインタビューとして米経済誌Forbesの取材に応じたカニエは「多くのアフリカ系の人々は、『ブラック・パンサー』という映画やワカンダにおける彼らの表現には不服だった」と自己分析を口にしながら、こう展望。

「でも、俺は今のところは、ワカンダの組織構造を使いたいと思ってる。だって、それが一番、ホワイトハウスにおいて俺たちの設計グループがやろうとしている事の解釈に近いから」

 「話をワカンダに戻すと…映画に出て来るワカンダでは、王がトップ科学者の所へ出向いて、靴を足に巻いてもらうシーンがあるだろ。俺たちはあのくらいのレベルの革新を実現したい。医療の分野においてもそうだ。ビッグ・ファーマ(※1)みたいなさ。共に働き、革新を生み出すんだ」と、ワカンダのように、科学や医療が飛躍的に進歩した国家を目指したいと語った。

 続けて、カニエは、「まあ、ポジティブなアイディアだよな。例えば、最もパワフルな人間の1人であるカニエ・ウェストがいて…俺が一番だとは言い切ったりしない。だって、そのほかにエイリアンみたいなレベルの超能力を持ったヤツはたくさんいるし、俺たちは集合してこそ力を発揮できるから」とカニエ節が炸裂した抽象的な表現で、自分を主体に能力の高い人物を集めてチームを作ることを示唆した。

※1米国で大きなシェアをもち世界的にも大きな影響力を持つ大手製薬会社10社の総称。アメリカのファイザー、メルク、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ブリストル・マイヤーズ、ワイス、イギリスのグラクソ・スミスクライン、アストラ・ゼネカ、スイスのノバルティス、ロシュ、フランスのアベンティスを指す。


カニエが目指す「ワカンダ」とは?

 マーベルファンなら、すぐにピンと来るかもしれないが、それ以外の人のために説明すると、2018年に公開され世界的なヒットを記録したMCU映画『ブラック・パンサー』では、俳優のチャドウィック・ボーズマン演じるブラック・パンサーこと国王のティ・チャラが、アフリカのどこかに存在する技術的に優れた王国ワカンダを率いている。

 ワカンダでは、レティーシャ・ライト演じるティ・チャラの妹でスゴ腕の科学者であるシュリが筆頭となり、磁力で動く交通機関や、通信手段や傷口の治療などにも使われるキモヨ・ビーズという特殊な玉、運動エネルギーを吸収し、溜めて力に変えることができるブラック・パンサースーツといった画期的で革新的な道具が次々と生み出されている。

 カニエの話に登場した、“王がトップ科学者の所へ出向いて、靴を足に巻いてもらうシーン”とは、おそらく、ティ・チャラがシュリの研究所を訪れ、新開発のシューズを紹介される場面のこと。

 シュリが誇らしげにお披露目した新シューズは、最初はソール部分のみだが、ティ・チャラが足を乗せた瞬間、彼の足の形に合わせてハイカットのシューズに変化する。

 カニエは、自身がアメリカ合衆国大統領になったら、こういったレベルの科学の進歩を目指すということらしい。

 ちなみに、インタビューでは、医療の分野に関する話も出たが、カニエは「ビッグファーマとホリスティック医学をミックスさせたい」と語っており、薬だけでなく、人間が本来、自らのものとしてもっている“自然治癒力”を引き出すホリスティック医療にも力を入れたいと示唆。自身は、ワクチン反対派であるという立場を明言した。

画像: カニエが目指す「ワカンダ」とは?

 カニエは同じインタビュー内で、立候補にあたり、これまで支持してきた共和党のドナルド・トランプ現大統領と共闘はせず、独立して立候補すること、「黒人=民主党に投票するべき」という偏見を覆したいと考えていること、じつは2月に新型コロナウイルスに感染し、人知れず闘病していたこと、そして、敬虔なクリスチャンゆえに、プロライフと呼ばれる「人工中絶反対派」(※)であることなどにも言及して注目を集めている。

※胎児の生命と女性の選択権を比較した場合、人工妊娠中絶を受ける事によって胎児は殺害され死亡してしまう重大な犠牲を伴うため、胎児の生命を優先する立場を示す人々のこと。レイプなどによる望まない妊娠の場合であっても中絶を禁止すべきだという考え。

(フロントロウ編集部)

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