リバイバル上映となる映画『ダークナイト』
DCコミックスの人気キャラクター「バットマン」を主人公にした映画『ダークナイト』はクリストファー・ノーラン監督によって制作され、2008年に公開された作品。「ダークナイト・トリロジー」と呼ばれる3部作の2番目の作品で、2005年には1作目の『バットマン ビギンズ』が、2012年には3作目の『ダークナイト ライジング』が公開された。
『ダークナイト』は、重苦しくリアルな世界観や俳優陣の演技が高く評価され、アカデミー賞で8部門にノミネート。みごと助演男優賞と音響編集賞を受賞し、同年のピープルズ・チョイス・アワードや英国アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞など名だたる賞も数多く受賞した。
そんな本作は、2020年9月18日に公開されるクリストファー・ノーラン監督の新作『TENET テネット』に先立ち、全国のIMAXデジタルシアターと4DX/MX4D劇場で、7月10日より公開される。公開から10年以上経過した名作がパワーアップしたバージョンで見られるということもあり、ファンは歓喜に湧いている。
ヒース・レジャー演じる伝説的なジョーカー
主演のバットマンを演じたのは、ストイックな役作りをすることで知られるオスカー俳優のクリスチャン・ベール。そしてバットマンの宿敵であるジョーカーを演じたのは、ヒース・レジャー。演技派の2人が揃い、公開前から大きな注目を集めていたというものの、ヒースは本作の公開を待たずに28歳という若さで死亡した。そのため、助演男優賞の受賞は彼の死後のことだった。
ヒースが見せたジョーカーの演技は現在でも絶賛されており、2019年の映画『ジョーカー』でジョーカーを演じたホアキン・フェニックスが数多くの演技賞を受賞した後でさえ、ヒースのジョーカーを“最高のジョーカー”にあげるファンも多い。
ヒースの演じたジョーカーは、ジョーカー特有の狂気や危うさ、そして次の行動が全く読めない恐ろしさをうまく表現しており、白塗りのメイクと左右に裂けた唇が印象的。そんなヒースのジョーカーを見たアルフレッド役のマイケル・ケインは、あまりの恐ろしさにセリフを忘れたシーンがあるという。
執事アルフレッド役、マイケル・ケインがセリフを忘れたシーンは?
バットマンことブルース・ウェインの執事、アルフレッド・ペニーワース役を務めたのは、マイケル・ケイン。マイケルは現在87歳で、『ダークナイト』公開当時は75歳だった。
マイケルは米CBSのトーク番組『60 Minutes』に出演した際、自身のセリフを1,000回は繰り返して練習していると話したけれど、映画『ダークナイト』のあるシーンではすっかりセリフを忘れてしまったそう。
彼がセリフを忘れてしまったのは、新しく検事に着任したハービー・デントのためにブルース・ウェインが開いたパーティーのシーン。華やかで楽しいパーティーの最中に突然登場し、会場を混乱させたジョーカーについて、米Liveaboutのインタビューに答えたマイケルは、「初日にリハーサルしたから、彼(ヒース)とは会ったこともなかったんだ。彼はエレベーターで(パーティー会場となった)我々(ブルースとアルフレッド)の家にやってこなければならなかった」と説明。
そして、「私は招待客を迎えるつもりが、実際には(ジョーカーが)その人たちを全員殺していて、エレベーターで上がってくるんだ。最初のリハーサルの時点で、彼には会ったことがなかった。彼には白雪姫の7人の小人のような仲間がいるんだけれど、実際にはそんな(白雪姫のような)雰囲気ではない。あのエレベーターの血まみれのドアが開くと、彼はすごい勢いで出てきた。私はすべてのセリフを忘れてしまったよ。恐ろしかった」と明かした。
マイケルは、ヒースのジョーカーがよほど恐ろしかったようで、ジュード・ロウと共演した映画『スルース』のインタビューに答えた際も、「今まで見た中で一番恐ろしかった」と語っている。
そんな映画『ダークナイト』は2020年7月10日より全国の全国のIMAXデジタルシアターと4DX/MX4D劇場でリバイバル上映される。(フロントロウ編集部)