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妻キム・カーダシアンが長女ノースちゃんを妊娠したことが発覚した際、「中絶する」可能性を考えたことを政治集会で大々的に暴露したカニエ・ウェスト。キムはカニエの暴走についてどう思っている? (フロントロウ編集部)

カニエ・ウェスト、初の政治集会で暴走

 自身が設立した「バースデー・パーティー(Birthday Party/バースデー党)」と呼ばれる新党から11月のアメリカ大統領選への出馬を表明しているラッパーのカニエ・ウエストが、初の選挙集会を開催。

 爆弾発言が多数飛び出した演説の中で、じつは妻でリアリティスターのキム・カーダシアンが現在7歳の2人の第1子ノースちゃんを妊娠したことが分かった際、中絶の可能性について話し合ったことを暴露した。

画像: 初の政治集会の模様。

初の政治集会の模様。

 米現地時間7月19日にサウスカロライナ州チャールストンで開催した集会に防弾チョッキを着用し、頭に「2020」と文字を剃り込んで登場したカニエは、ソーシャルメディアがいかにして人々を洗脳しているか、自身も過去に依存に陥ったことがある処方鎮痛薬「オピオイド」の危険性、大手企業の取締役会における多様性の欠如などに言及。

 さらに、元奴隷で奴隷解放活動に尽力した活動家のハリエット・タブマンについて、彼女は「奴隷を解放したことなどない。ほかの白人のために奴隷を働かせていただけだ」などと歴史上の事実とは異なる独自の見解を声高に語り、ブーイングを浴びる場面もあった。


長女の「堕胎」を検討したと告白

 敬虔なクリスチャンであるがゆえに、プロライフと呼ばれる「人工中絶反対」(※1)の立場であることを明かしているカニエは、人工中絶についても話題に。

※1 胎児の生命と女性の選択権を比較した場合、人工妊娠中絶を受ける事によって胎児は殺害され死亡してしまう重大な犠牲を伴うため、胎児の生命を優先する立場を示す人々のこと。レイプなどによる望まない妊娠の場合であっても中絶を禁止すべきだという考え。

画像: スピーチの最中に涙を拭うカニエ。

スピーチの最中に涙を拭うカニエ。

 そのなかで、2012年、当時、まだガールフレンドだった妻キムが長女ノースちゃんを身ごもったことが分かった時のことを振り返ったカニエは、2人の間で人工中絶をするという選択肢についても話し合われたことを、涙ながらにこう明かした。

 「聖書には『汝殺すなかれ』と書かれている。俺の彼女(キム)が泣き叫びながら電話してきたとき、俺は(一体何の事だろうかと)考えたよ。俺はラッパーで、遊びまくっていたし、ほかに女性もいた。すると彼女は『私妊娠してるの』と言ったんだ。俺は『イエス!』と言ったあとで、『ああ、ヤバい』とも口にした」

「1カ月、2ヵ月、3ヵ月…俺たちは彼女が子供を産まないほうがいいんじゃないかと話し合った。彼女の手元にはいつもピルがあったよ。わかるだろ、飲んだら赤ちゃんが消えてなくなる、あの薬だよ」


「神のお告げ」とキムの固い意志により出産を決意

 しかし、カニエはフランス・パリに滞在していた最中、神様からの“お告げ”のようなものを経験したと発言。そのおかげでキムが妊娠している赤ちゃんの父親になる決意が固まったと明かした。

 「あれは、俺が妻が強盗事件に遭ったあのアパート(※3)にいたときのことだ。俺は、ラップトップコンピューターを開いていて、色んなクリエイティブなアイディアについて考えてた。スニーカーのことや次に出す曲のジャケット…そうしたら、スクリーンが急に白黒になった。そして神様が言ったんだ『もしもお前が私のビジョンを妨げるなら、私はお前のビジョンを滅茶苦茶にするぞ』って。それで俺は、妻に電話した。すると彼女は『この子を産みましょう』と言った。俺も『俺たちはこの子を持つべきだ』と言ったんだ」

※3 2016年、キムがファッションウィーク参加のために訪れていたフランス・パリの滞在先で覆面強盗に襲われた事件の現場を意味しているものとみられる。

画像: ノースちゃんの妊娠中にそろって参加した2013年のメットガラ。

ノースちゃんの妊娠中にそろって参加した2013年のメットガラ。

 「俺はもう少しで娘を殺してしまうところだった! 」と繰り返し、「このスピーチの後、妻は俺との離婚を考えるかもしれない。だとしても、彼女はノースをこの世に誕生させてくれた。俺が望んでいなくとも。彼女は子供のために立ち上がり、あの子を守ったんだ」と、自分よりも先に腹を括ったキムの母親としての決断を称賛したカニエは、じつは自身の両親も、自分を堕胎する可能性を模索していたことを告白。

 「俺の父親は俺を堕胎したがっていた。でも、母親が俺の命を救ってくれた。もしかしたら、カニエ・ウェストはこの世に存在しなかったかもしれない。俺の父親は忙しすぎる人だったからな」と、今は亡き最愛の母が、今から43年前に何としても自分を生むと覚悟を決めてくれたからこそ、自分が今この場に生きているとエモーショナルに語った。


人工中絶を減らすための奇策

 中絶については反対だと口にしながらも、会場にいた活動家との質疑応答のなかでは、人工中絶は今後も合法であるべきだと考えていると明かしたカニエ。

 しかし、中絶件数を減らす方法として、生活に困窮する新しい母親のための財政支援が必要だと、「妊娠するだけで、もし100万ドルを貰えるチャンスがあったとしたら、君たちならどうする? みんな子供を持とうとするんじゃないか? 人生における最も偉大な宝をさ」と、母親たちに対して、赤ちゃん1人あたり100万ドル(約1億730万円)を付与する制度か、それと同等の制度でサポートするべきだという独自の案も口にした。


妻キムは「困惑している」

 カニエとの間に、話題にのぼったノースちゃんのほかにも、長男のセイント君(4)、代理母出産で授かった次女のシカゴちゃん(2)&次男のサーム(1)君という4人の子供をもうけているキム。

 もともと、カニエの2020年の大統領選出馬に関しては、そこまで乗り気ではないと伝えられているが、暴走気味のカニエが、ノースちゃんを堕胎する可能性が話し合われたことや、2人の当時のプライベートな会話の内容まで、全世界が注目する政治集会で暴露してしまったことについてどう思っているのだろうか?

 集会の翌日、関係者は「キムはカニエの昨日の熱弁について困惑しています。とくに、中絶の可能性を話し合ったということや、ノースを生まない選択肢について語った部分には」と米ETにキムの気持ちを代弁。

 「彼女はノースが成長し、いつかあのスピーチの模様を目にしてしまうと分かっています。そのことに胸を痛めています」と、キムが母親なら当然のごとく、まずノースちゃんが受けるショックについて心配しているとも明かしている。

画像: 今ではノースちゃんを溺愛し、自身が手がけるファッションブランドのランウェイでもパフォーマンスさせてしまうほどのカニエだが…。

今ではノースちゃんを溺愛し、自身が手がけるファッションブランドのランウェイでもパフォーマンスさせてしまうほどのカニエだが…。

 キムだけでなく、カーダシアン/ジェンナー家の家族やカニエの友人たちも現在の彼のメンタルの状態を心配しているそうで、関係者は、「カニエの調子は良い状態ではなく、誰かが(カウンセラーなどのプロの)助けを得るべきだと説得しようとしても聞く耳を持ちません」、「結局のところ、カニエの近親者たちは、彼が彼自身や彼のブランド、家族にこれ以上の損害を与える前に、大統領選から辞退して欲しいと考えています」とも語っている。(フロントロウ編集部)

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