テイラー・スウィフトの楽曲「ザ・レイクス」が解禁
テイラー・スウィフトが7月24日にサプライズリリースしたニューアルバム『フォークロア(Folklore)』のフィジカル(CDとアナログレコード)限定のボーナストラックとして収録された楽曲「ザ・レイクス(The Lakes)」のダウンロードと音楽配信サービスでのストリーミングが日本時間の8月19日未明に解禁。
同楽曲のリリックビデオもテイラーの公式YouTubeチャンネルで公開された。
同曲の歌詞には、テイラーが、この秋交際4年目を迎える恋人で俳優のジョー・アルウィンとのロマンスについて、さまざまなヒントを忍ばせているようだとウワサされている。
恋人とのロマンチックな思い出を“匂わせ”?
ジョーとの交際開始以来、彼の故郷であるイギリスで過ごす時間が各段に増えたテイラー。「ザ・レイクス」には、イギリス滞在中にジョーと訪れた旅の思い出が反映されているのではないかと推測されている。
<1>「ザ・レイクス」は2人の思い出の場所?
まず、タイトルの「ザ・レイクス」とは、イングランド北西部カンブリア郡にある「湖水地方(レイク・ディストリクト)」のことのよう。
その名の通り、雄大な湖をいくつも有し、風光明媚な場所として知られるこの地域は、イングランド有数のリゾート地・保養地としても知られ、別名「The Lakes(ザ・レイクス)」、「Lakeland(レイクランド)」とも呼ばれる。
楽曲の舞台がこの湖水地方であると見て間違いないことを裏づけるように、「ザ・レイクス」のサビ部分には、こんな歌詞が登場。
詩人たちが死にに行ったあの湖に連れて行って/私は属さないし、あなたも同じ/ウィンダミアの山々は泣くには最適の場所のよう/私は出発する、でもミューズなしでは行けない
湖水地方は、18世紀末から19世紀前半にヨーロッパの諸地域で起こった精神運動のひとつである「ロマン主義」の代表的な詩人たちに愛されたことで知られており、情熱を秘めた自然讃美の詩を書いたウィリアム・ワーズワースやその親友で同じく詩人のサミュエル・テイラー・コールリッジ、さらに2人とともに“湖水詩人”と呼ばれたロバート・サウジーらが居を構えた。
「詩人たちが死にに行ったあの湖」というフレーズは、彼らのような詩人たちが晩年を過ごすことを望んだ場所について述べているとみられ、その後に登場するウィンダミアとはこの地方にある小さな町。テイラーはジョーとともに、美しい山々を眺望できるこの地を訪れたのではないかとみられている。
さらに、「ミューズ」とは、アーティストにとって音楽や芸術のインスピレーションの源となる存在のこと。テイラーは、暗にジョーを自分の「ミューズ」と呼んでいるのかもしれない。
<2>困難のなか支え続けてくれた人
「私は人を嘲笑するようなクローンなんかにならなかった」、「携帯電話を持ったハンターたち」といった冒頭の歌詞で、著名人としてつねに世間から監視され、何かあるとすぐに批判や中傷の的となってしまう立場にあるが、自分はそれで性根が歪んでしまうような“ありがち”なセレブではないと比喩しているテイラー。
ブリッジ部分では、こんな歌詞で、一時はラッパーのカニエ・ウェスト&リアリティスターのキム・カーダシアンとのいざこざが原因で世間から強烈なバッシングを受け、どん底を味わった自分を支え続けてくれたジョーの温かい愛情を表現していると見られている。
赤いバラが凍りついた地面から育った/周りにはツイートする(さえずる)人なんて誰もいなかった
ちなみに、この歌詞によく似た表現が、テイラーが2017年にリリースした、ジョーに捧げた楽曲といわれる「コール・イット・ホワット・ユー・ウォント(Call It What You Want)」にも登場する。
私の花はすべてトゲを携えて復活した/嵐の後、窓は板で塞がれた/彼は火を起こし、ただ私を温めてくれた ―「コール・イット・ホワット・ユー・ウォント」より
<3>ジョーとの結婚願望を匂わせる?
「赤いバラ」が登場するブリッジには、もう1種類、花が登場する。それが下記の一節に含まれる「藤の花」。
私はオーロラと悲しい散文が欲しい/裸足の足元に藤の花が育つのが見たい/もう何年も動いていないから/そしてあなたにはすぐそばにいて欲しい
これは少々飛躍した推論かもしれないが、音楽歌詞サイトのGenius(ジーニアス)へのある一般ユーザーによる投稿では、中国では藤の花は「結婚における幸運」を意味するほか、誰かや何かに対する「深い愛情」を意味すると解説されている。つまり、歌詞に登場する藤の花は、テイラーからジョーへの永遠の愛を象徴するものなのではないかと推測している。
実体験、とくに恋愛を楽曲の題材やインスピレーションに採用することが多く、これまでにも何曲もジョーとの恋を歌ったとされる楽曲を発表してきたテイラー。
アルバム『フォークロア』には、このほかにもジョーとの恋を連想させる歌詞がいくつか登場するほか、ジョーが偽名を使って楽曲制作に参加したのではないかというウワサもある。
テイラーは、本作に関しては、自分の体験以外にも、知人の物語やフィクションも交えて各曲のイメージを膨らませたことを明かしているが、ほかの楽曲には失恋を連想させる歌詞も多く含まれることから、一部でジョーとの破局を勘繰る声もあった。しかし、ボーナストラックである「ザ・レイクス」に散りばめられているジョーとの絆を匂わせるヒントから察するに、2人の関係は安泰のよう。
さらに同曲でテイラーは、前所属レーベルのビッグマシン・レコードと同社を買収し、彼女が2018年のレーベル移籍前までにリリースした楽曲の原盤権を手にした音楽マネージャーのスクーター・ブラウンとのバトルについても言及しているようだと言われている。(フロントロウ編集部)