大人気ヒーロー、バットマン
バットマンは、DCコミックスの人気キャラクター。これまで何度も実写映画化され、ベン・アフレックやクリスチャン・ベイル、ジョージ・クルーニー、マイケル・キートンなど、数々の大物俳優がその役を務めてきた。
2021年には『トワイライト』シリーズのロバート・パティンソンをバットマン役として迎えた新作映画『ザ・バットマン』が公開予定。2020年8月23日に開催されるDCコミックス史上最大のバーチャルイベント、DCファンドームでその新情報が明かされる見込み。
表の顔は大富豪、裏の顔はゴッサムシティを守るヒーローとして多くのファンに愛され続けているバットマン。そんな彼の活躍をAIに学習させ、架空の新作映画の脚本を作ってみた男がいる。
バットマンの新作映画の脚本をAIに⁉︎
アメリカのコメディアン、キートン・パティは、これまでに公開された約1000時間に及ぶバットマン関連の様々な映像をAIに学習させ、架空の新作映画の脚本を作らせた。その内容がこちら。
AIは「ゴッサム」を「ゴスなハム」と間違えていたり、バットマンであるブルース・ウェインの呼び名である「マスター・ウェイン」を「マットレス・ウェイン(ウェイン布団)」と言い間違えたりしていて、味わい深い。言葉が足りない部分は、脳内で風景を補いながら読んでみて。
バットマン、典型的なバットケイブにいる。
バットモービルの隣に立ち、バットコンピューターを使っている。彼はブルース・ウェインで、時々バットマンにもなる。そして、孤児である。
バットマン:「ここは今や安全な街だ。ペンギンを殴って刑務所に送ってやった」
バットマンの忠実な執事、アルフレッドがトレーにゴスなハムを乗せて運んでくる。
アルフレッド:「夕食を食べてください。マットレス・ウェイン」
突然爆発が起こる。ジョーカーとトゥーフェイスがバットケイブに侵入する。
ジョーカーは道化師だ。しかし正気ではない。
トゥーフェイスは男性だ。しかし弁護士だ。
バットマン:「まずい!トゥーフェイスとジョーカーだ。彼らは私がバットであることを憎んでいる」
バットマンはトゥーフェイスにアルフレッドを投げつける。
トゥーフェイスはアルフレッドをコインのように弾く。
アルフレッドは頭を上にして倒れる。
そうなったとあれば、トゥーフェイスは退散する。
バットマン:「さあ、俺とお前だけだ、ジョーカー。バットマンvsジョーカー。宿敵」
ジョーカー:「俺は変人だ。社会は悪い。お前が水を飲むように、俺は無秩序を飲む」
バットマン:「私はコウモリのようにコウモリを飲む!」
バットマンは両親を探すが、彼らはまだ死んだまま。
この事実はバットマンを怒らせる。
バットマンはバットロケットを発射する。
ジョーカーは病的なユーモアのセンスでそれをそらす。
ひょうきんなパワーだ。
ジョーカー:「俺はルールを守ったことがない。それが俺のルールだ。お前はルールを守るか?俺は守らない」
バットマン:「アルフレッド、ロビンを産んでくれ」
アルフレッドは一連の行為を始める。それが彼の仕事だから。
ジョーカーは今、手にプレゼントを持っている。
彼はそれをバットマンに向かってひょいと投げる。
ジョーカー:「誕生日おめでとう、バースマン(※Batmanではなく生誕男という意味のBirthmanになっている)」
バットマンはいい人なので、そのプレゼントを開ける。
中には新しい親のためのクーポンが入っているが、期限が切れている。
これはジョーカーのジョークだ。
※元ツイートはコチラ
I forced a bot to watch over 1,000 hours of Batman movies and then asked it to write a Batman movie of its own. Here is the first page. pic.twitter.com/xrgvgAyv1L
— Keaton Patti (@KeatonPatti) August 13, 2019
ご覧のとおり、ツッコミどころが多すぎるAIが作った脚本。なかでも一番扱いが雑なのが、アルフレッド。武器のように投げられたり、ロビンを産むように指示されたりと、AIは一体アルフレッドをどんな人物だと認識したのだろうか?
バットマンが急にわけのわからないことを言い出すほか、ジョーカーにはなんと爆弾を“ユーモアで逸らす”というスーパーパワーまで加えられた。そして最後のオチ。急展開したエンディングは、ジョーカーの意地悪さとブラックジョークが折り混ざった、ある意味でなんともしっくりくる形で幕を閉じた。
これを見た海外ファンは「『ジョーカーは病的なユーモアのセンスでそれをそらす』ってなんかエモい」「なんだか『レゴバットマン』のワンシーンみたいだね」「すごい面白い」「『お前が水を飲むように、俺は無秩序を飲む』って、ヒース・レジャーが『ダークナイト』で急に言ったらやばい」と意外にも高評価。
1,000時間バットマンを学習したAIが考えたバットマンの世界を、映像やアニメーションで見てみたくなる。もしかすると、バットマンの世界観をさらに奇妙に、恐ろしく仕立て上げてくれるかもしれない。
※当初の脚本訳から「バースマン」という言葉が抜けていたため追加しました。
(フロントロウ編集部)