キアヌ・リーブス、コロナ禍での『マトリックス4』撮影再開を語る
キアヌ・リーブスの代表作『マトリックス』は、約20年ぶりの新作となる『マトリックス4』が制作。同作の撮影は、2020年に2月にアメリカ・サンフランシスコで開始されたものの、新型コロナウイルスの影響で、ほとんどのハリウッド映画と同じく、一時休止を余儀なくされた。
その後、感染予防策を徹底したうえで、6月末にドイツ・ベルリンで撮影が再開。
主人公ネオを演じるキアヌのほかにも、トリニティ役を続投するキャリー・アン・モスや、新キャストに名を連ねる映画『ゴーン・ガール』のニール・パトリック・ハリス、Netflixのオリジナルシリーズ『マインドハンター』のジョナサン・グロフらも現地入りし、連日で制作が進められている。
パンデミック禍という特異な状況のなか行なわれている『マトリックス4』の撮影の様子について、キアヌが米Associated Pressと行なったリモートインタビューでコメント。
周囲のスタッフへの感謝や配慮、そして、パンデミックにより甚大な影響を受けている映画界全体を鼓舞するかのような、“さすがキアヌ”な言葉が次々に飛び出した。
「仕事ができることに感謝してる。(撮影現場では)本当によく考えられた効果的なルールが整備されているよ。それらは、映画制作のリズムにはほとんど影響していないし、妨げになってもいない」と、制作スタッフや裏方の努力により、コロナ禍でも安心・安全かつ円滑に仕事ができる職場環境が整えられていることを明かしたキアヌ。
続けて、「みんながこのプロジェクトを愛しているんだと思う。『どうやったらいんだ?』って、解決策を模索しなくちゃならない状況に直面した時、ショービジネスの業界で働く人たちは本領発揮する」と話し、「僕らは、負けん気が強いからね。とにかく、何だってやってのける。新しい方法を考案したり、地に足をつけて現実的に物事を考えたりね。そういう気の合う仲間が力を合わせて、『よし、ショーを始めるぞ!』、『小道具もある、色んなものも準備した、さあ脚本を書こう!』みたいな感じでさ。『マトリックス』シリーズでも、そんな精神は、ちゃんと健在だよ」と、映画人たちの底力を信じており、『マトリックス』の現場でも、クリエイターならではの一体感を感じると力強く語った。
コロナ禍での撮影再開に苦戦する作品も
新型コロナウイルス禍では、米CBSのテレビドラマ『ザ・ビール度・アンド・ザ・ビューティフル』が6月17日に先陣を切って撮影を再開。しかし、感染予防・拡大防止対策が不十分だったため、再開直後に再び撮影休止に追い込まれるという騒動があった。
さらに、俳優のウィル・スミスと妻のジェイダ・ピンケット・スミスが経営陣に名を連ねるカリフォルニア州を拠点とする映像制作プロダクション、WestbrookInc.(ウェストブルック・インク)は、新型コロナ禍である作品の制作を進めていたものの、10名ものスタッフが感染判定検査で陽性を示すという集団感染が起こってしまったことも、先日伝えられたばかり。
クリス・プラット主演の映画『ジュラシック・ワールド/ドミニオン』は7月中旬にイギリス・ロンドンのスタジオで撮影が再開。
同地での撮影は円滑に進められたようだが、米Deadlineによると、その後、マルタ共和国で行なわれていた撮影に携わっていたスタッフが新型コロナウイルスに感染。現地で感染者数が増えていることも影響し、予定されていたクリスや共演者のブライス・ダラス・ハワード、サム・ニールらの現地入りの計画が立ち消えに。同地での撮影の規模を縮小すると伝えられている。
もちろん、キアヌ率いる『マトリックス4』のようにパンデミック禍でも撮影が順調に進んでいる作品も多いが、思わぬトラブルに見舞われる作品もある。
withコロナ時代の映画・ドラマ制作は、まだまだ困難を極めそうだが、キアヌの言うような映画人の心意気で何とか邁進してくれることを祈る。(フロントロウ編集部)