スプラッシュ・マウンテンが生まれ変わる
今年6月、ウォルト・ディズニー・カンパニーの傘下にあるディズニー・パークスが、“ディズニー映画史上最も悪名高い作品”と言われる、1946年公開のディズニー映画『南部の唄』をテーマにした人気アトラクション「スプラッシュ・マウンテン」の設定を変更することを発表。
黒人描写に関して批判の声が絶えなかった作品をテーマにしたスプラッシュ・マウンテンには、以前から改変を望む声が上がっていたが、現在活発化している黒人に対する人種差別に抗議するムーブメント「Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター/黒人の命も価値がある)」の後押しもあって、ついにディズニーが変革に乗り出すかたちとなった。
刷新後は、ディズニーアニメ史上初の黒人プリンセスであるティアナをフィーチャーした、アニメ『プリンセスと魔法のキス』の世界観や、物語の舞台となったルイジアナ州南部のニューオーリンズの風景をテーマにしたライドに生まれ変わる予定で、“最後のキス”のその先の物語を描くことになるという。
アトラクションだけでなく「あの曲」ともお別れ!?
そんななか、映画『南部の唄』の挿入歌でスプラッシュ・マウンテンのテーマ曲でもある「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」にも、変革の波が押し寄せていることがわかった。
現在もマジックキングダムにあるスプラッシュ・マウンテンは平常通り運行を続けており、改変に向けた工事の日程すら発表されていないが、それよりもひと足先に、アナハイムのディズニーランド・リゾート内にあるショッピングモール「ダウンタウン・ディズニー」が、敷地内で流しているプレイリストから「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」を密かに外していたことが明らかに。
また、ディズニーによる「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」排除の動きはこれだけにとどまらず、「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」を演奏するミッキーマウスのおもちゃの販売を停止したり、ディズニーランドやディズニーワールドで遊べるアプリ「プレイ・ディズニー・パークス(Play Disney Parks)」からスプラッシュ・マウンテンをテーマにしたゲーム「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー・デー(A Zip-A-Dee-Doo-Dah-Day)」を削除したり、裏で着々と旧スプラッシュ・マウンテンの痕跡を消している。
ちなみに、スプラッシュ・マウンテンが存在するのは、新型コロナウイルスの影響で臨時休園が続いているカリフォルニア州アナハイムにあるディズニーランド、フロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールド内のマジックキングダム、そして日本の東京ディズニーランドの3ヵ所で、今のところ改変されるのはカリフォルニアとフロリダのスプラッシュ・マウンテンのみとなっている。(フロントロウ編集部)