ティルダ・スウィントンがヴェネチア国際映画祭に出席
映画『ナルニア国物語』シリーズでの白い魔女役や、MCU映画『ドクター・ストレンジ』のエンシェント・ワン役などで知られる俳優のティルダ・スウィントンが、2020年9月2日から開催されているヴェネツィア国際映画祭に出席した。
功労賞である栄誉金獅子賞を受賞したティルダは、ヴェネツィア国際映画祭で行なわれたトークセッションの中で、先日、ベルリン国際映画祭が男優賞と女優賞の区別を撤廃し、性別に関係のない「演技賞」に統一すると発表したことに言及した。
ティルダはベルリン国際映画祭の決断について「非常に賢明なもの」だとした上で、「時間をかけるのすら無駄です。人生はあまりに短いものですので。ベルリン映画祭についてはすごく嬉しく思っています。あらゆる人たちがこの動きにならっていくであろうことは必然だと思います。私には明白なことです」と述べ、他の映画祭も同様に性差のない仕様にしていくことは必然だと、力強い言葉で語った。
“特徴”で区別することは時代遅れ
また、ティルダは人々を“特徴”で区別することも時代遅れだと指摘。「必ずしも異性愛者だとか、同性愛者、男性、女性だ」と区別しなければいけない風潮に苦言を呈した。
映画賞において性差でカテゴリー分けされている現状について、「これは進むべき方向ではありません」とティルダ。「ジェンダーであれ、人種であれ、階級であれ、人々を分断し、進むべき道筋を“処方”してあげようとすることすべてです。あまりに馬鹿げています」と続けて語り、人々を“何かの括り”に入れることは適さないことだと訴えた。
ケイト・ブランシェットも性差の撤廃を訴え
一方、今年のヴェネツィア国際映画祭においてコンペティション部門の審査委員長を務めるケイト・ブランシェットも、ベルリン国際映画祭の決断を支持する立場を示した。
「政治的な発言ではありませんが、私はいつも自分を『俳優』と呼んできました」とケイトは前置きした上で、「ジェンダーが特定されてしまうような言葉などないと思いますし、それに、私は『女優』という言葉が常に軽蔑的な意味で使われていた世代の人間です」と、「女優」という言葉にはそもそも軽蔑的な意味が込められている背景があると指摘し、さらに次のようにも続けた。「良い演技は、相手の性的指向に関係なく良い演技です」。(フロントロウ編集部)