子供のママ・パパではなく…? ある幼稚園の先生の、保護者への呼び方が称賛されている。(フロントロウ編集部)

保護者をなんて呼ぶ?

 ある1人のツイッターユーザーが話した、幼稚園の先生の行動が話題になっている。看護師として働くケルシーは、5歳の子供を育てている。子供は幼稚園に通っているそうで、そこで見聞きした先生のある行動を称賛した。

「私の5歳の子供の幼稚園の先生は、子供のママやパパ(親とさえも)と呼ばないの。彼女は、“あなたの大人”って呼ぶ。それって、何も推定しないし、すべての関係性や家族の在り方のためにすごく優しくて、すべてを包み込む方法だと思う。すごく好き」

 家族の在り方は様々。子供の保護者がおばあちゃんやおじいちゃんである子供もいれば、フォスターファミリーと暮らす子供もいる。パパと呼んだ男性はまだ子供にとってパパという立ち位置にいない母親の恋人かもしれないし、最近では自分の性別を女か男に限定しない人やトランスジェンダーも増えている。例えば、ケンダル&カイリー・ジェンナー姉妹の父親は性転換手術を受けて女性のケイトリン・ジェンナーへと生まれ変わったけれど、姉妹は今でもケイトリンを「dad(父)」と呼ぶ。

画像: ケンダルとケイトリン。

ケンダルとケイトリン。

 これだけ多くの人がいる世界では、様々な家族の在り方があって当然。そしてそのカタチは、今後さらに増えていくだろう。そんななかでは、とくに限定する必要もないのであれば、すべての人に使える言葉を使いたいもの。このツイートには多くの人から賛同が集まり、他の保護者からも似たようなエピソードが寄せられた。

「私の息子の幼稚園の先生もそう。あと、男の子と女の子って言わないで、例えば“友達のみんな、ハロー”だとか、“ありがとう、友達”とか言ってくれる。彼女はすべての人に適用できる言葉を意識して使ってると気がついたし、すごく好き」

他の分野でも言葉のチョイスに変化

 性別を限定しない言葉を使うことは、個人単位だけでなく企業単位でも進んでいる。例えばイギリスでは、2017年にロンドン交通局が「レディース&ジェントルメン」の使用という呼びかけを廃止し、“Everyone(みなさん)”を採用。「おはようございます、みなさん」という呼びかけに変更された。また、イギリスの三大劇場であるナショナル・シアター、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー、ロイヤル・オペラ・ハウスや、格安航空会社イージージェット(easyJet)も、「レディース&ジェントルメン」の使用を止めるガイドラインの採用を2019年に発表している。

画像: 他の分野でも言葉のチョイスに変化

 ジェンダーに関する活動をするチャリティ団体Mermaidの代表であるスージー・グリーンは英The Telegraphにこうコメントしている。

「『レディース&ジェントルメン(紳士淑女)』という言葉が不快なものであるというわけではありません。ただ、その言葉は“紳士淑女”にフィットしない人を除外するものであり、さらには、現代では『レディース&ジェントルメン』と呼ばれなかったからといって本気で怒る人もいないでしょう」

言葉の影響力

 性別を限定しない人々、そしてその人々が生きる社会のすべての人の意識のためにも、多くの人や企業が包括的な言葉を選んでいる。そして、差別意識がまだまだ根深い現代では、性別を限定する呼び方は、男らしさや女らしさの強調に繋がることもあれば、性差別を引き起こす単語に繋がることもある。

 例えば日本語では、“主人”や“旦那”といった言葉には配偶者間での主従関係の意味が含まれている。そのため、一部の保育サービスでは、ご主人や旦那さんという呼びかけの使用を禁止したことが話題に。同企業では、それに加えて女性差別の意味合いがある“嫁”や“家内”の使用も禁止することも検討しているという。(フロントロウ編集部)

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