約2万8,000人の従業員を一時解雇すると発表
今年7月、約4ヵ月に及ぶ臨時休園期間を経て営業を再開した、アメリカのフロリダ州オーランドにある世界最大規模のディズニーリゾート、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(以下ディズニーワールド)。対するカリフォルニア州アナハイムにあるディズニーランドは、かれこれ半年以上、臨時休園のままとなっており、いまだ再オープンの目処が立っていない。
そんななか、ディズニーワールドとディズニーランドの従業員を対象に大規模なレイオフ(一時解雇)を実施することを、つい先日、ディズニーパークおよびリゾート事業の開発やマネジメントを行なうディズニー・パークス・エクスペリエンス・プロダクツのジョシュ・ダマロ会長が声明を通じて発表した。詳しい内訳は明らかにされていないが、約2万8,000人の従業員が解雇される見込みで、そのうちの7割がパートタイム労働者だという。
A statement from Josh D’Amaro, Chairman, Disney Parks, Experiences and Products: https://t.co/EiBnCNBCqd pic.twitter.com/kXF2PH5D13
— Disney Parks News (@DisneyParksNews) September 29, 2020
フロリダのディズニーワールドはなんとか営業を再開することができたものの、予約制で入園できる人数が制限されていることもあり、例年と比べ大幅に減収。また、営業を再開することすらできていないカリフォルニアのディズニーランドは、長引く臨時休園の影響で巨額の赤字を計上している。今後もしばらく人数制限や時間短縮営業などの措置が続くことを踏まえると、さらに赤字が膨らむ可能性は高い。
人員削減で夢の国から“夢”が消える…!?
「夢の国」として世界中の人たちから愛されるディズニーランド&ディズニーワールドだが、ゲストに“夢”を与えることができるのは、キャストや裏方として働くスタッフの人たちの働きがあってこそ。テーマパークの運営にかかる経費の約50%は人件費と言われており、人員が削減されれば、これまで通りのサービスを提供することは難しくなり、当然、どこかにしわ寄せが来ることになる。
米USA TODAYによると、ディズニーワールドに常駐するキャストの数は以前と比べて明らかに減っているが、彼らの仕事量は倍増しているという。また、パレードの出演者も2〜3割減っており、ダンサーのなかにはパーク内で別の仕事をしている者も。
一時解雇なので、再雇用の希望がないわけではないが、これまで通りのサービスとカスタマー・エクスペリエンスを維持するという点で、今回の大規模なレイオフがキャストとゲストの両方にとって痛い話であることは間違いない。(フロントロウ編集部)