ジョン・ボン・ジョヴィ、リッチーについて語る
10月2日に約4年ぶりとなるアルバム『Bon Jovi 2020(ボン・ジョヴィ2020)』をリリースしたアメリカのロックバンドであるボン・ジョヴィ。15枚目のアルバムとなる『Bon Jovi 2020』は、より社会的メッセージが込められたものが多く、アメリカ全土で行なわれている人種差別撤廃を求める運動から影響を受けた「American Reckoning(アメリカン・レコニング)」、そして新型コロナウイルスの世界的拡大のなか頑張っている人たちにむけた「Do What You Can(ドゥ・ホワット・ユー・キャン)」などが収録されている。
ボン・ジョヴィはこれまで多くのヒット曲を世に送り出してきたけれど、数々の楽曲に携わり、ボーカルであるジョン・ボン・ジョヴィの長年の相方だったのがリッチー・サンボラ。しかし、リッチーはアルコール依存症を抱えており、ライブにも姿を見せなかったことから2013年に脱退。その後はリッチーのかわりにフィルXがメンバーとして加入し、ギターを担当している。
リッチーは脱退して以降、ボン・ジョヴィのメンバーと共演することがなかったけれど、2018年にボン・ジョヴィがロックの殿堂入りを果たした際にパフォーマンスを披露。そのステージでは、約5年ぶりにリッチーがボン・ジョヴィのメンバーと一緒にセッションし、多くのファンを沸かせた。
その後それぞれの道を行き、リッチーが再びボン・ジョヴィに復帰ということもなかっただけに、ファンにとっては1夜限りのパフォーマンスは思い出に残るステージとなった。
そんなリッチーとの再共演についてジョンは「素晴らしかった。本当に最高だったよ。彼がここにいたらと思わない日はない。けど、彼には対処できなかったいくつかの問題があっただろ?だから彼がバンドにいられたら良かったし、アルバムで一緒にいて欲しかったし、彼が正気でシラフだったら良かったのにと願った。僕たちの間に争いはなかった。彼は2013年にカナダで行なわれたコンサートに来なかったんだ。アリーナには2万人もの人がいて、彼はやり遂げることができなかった。僕も、ティコも、デイブも、自分たちのキャリアを止めるつもりはなかった。人生は続いていかなくてはいけなかったんだよ。でも、1夜だけでも彼に会えたことはとてもクールだった。それから彼とは話していないよ」と、英BBCに語り当時を振り返った。
ジョンはリッチーに対する思いが強く、ドイツのRock Antenneのインタビューでも「リッチーが生活をきちんとさせてバンドに残ってくれていたら、と願わない日はない」と語っていたけれど、リッチーが脱退して別々の道を行くことになったからこそ、2016年にリリースした『This House Is Not For Sale(ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール)』を作ることができたとも話した。
ボン・ジョヴィにとってもジョンにとってもいなくてはならない存在だったリッチー。今は別々の道を歩んでいるけれど、いつかまたどこかでと願うファンも少なくはない。
(フロントロウ編集部)