クリステン・スチュワート、ダイアナ妃役の役作りで苦労している事
イギリス王室のチャールズ皇太子の元妻で、王室を去った後の1997年にパパラッチによる執拗な追跡に起因する不慮の交通事故で亡くなったダイアナ妃(旧姓ダイアナ・スペンサー)。
これまでにも、映画やドキュメンタリーといった数々の作品の題材とされてきたダイアナ妃の人生の転機を描く新たな映画『『Spencer(スペンサー/原題)』の主演に映画『トワイライト』シリーズでブレイクして以来、幅広い作品に出演して演技力を磨いてきたクリステン・スチュワートが起用されたという報せは、フロントロウでも6月にお伝えした。
クリステンの起用に関しては、一部のダイアナ妃ファンおよび映画ファンの間で「不安を感じる」、「ミスキャストでは?」といった声も。
しかし、そんな世間の心配をよそに、クリステンは、「ここしばらくの間、こんなに演じるのがワクワクした役はなかった」と米InStyleとのインタビューでコメント。すでに、ダイアナ妃を演じるための役作りを始めていることを明かした。
2021年の1月中旬頃に撮影開始が予定されているという『Spencer』。死してなお、イギリス国民だけでなく、世界中の人々に愛され続けるダイアナ妃を演じるにあたり、クリステンには、1つ苦戦していることがあるという。
それは、ダイアナ妃の独特なアクセント。
クリステンは、すでにアクセントを指導してくれる“ダイアレクト・コーチ(発音コーチ)”を雇い、特訓を始めているそうで、「アクセントはめちゃくちゃ不安だよ。だって、世間の人々は(ダイアナ妃の)あの声を知っているし、すごく独特で特殊なんだもん。ダイアレクト・コーチと一緒に、今、一生懸命マスターしようとしているところ」と話した。
生まれも育ちもロサンゼルスで、日常生活ではアメリカ西海岸特有のアクセントで話すクリステン。俳優という職業柄、もちろん、これまでにも、さまざまな国や地域のアクセントに挑戦してきたけれど、イギリス英語のなかでも、さらに「河口域英語」と呼ばれる独特のアクセントが混ざる事があり、人々の耳に印象強く残っているダイアナ妃の話し方をマスターするのには、少々苦労しているよう。
「河口域英語」とは、1980年前後からロンドンや、その周辺のテムズ川の河口周辺の地域で使われるようになった英語で、単語の途中および最後の「t」を発音しないなどの特徴がある。
ロイヤル・ファミリーは、上流階級の英語と呼ばれる容認発音(Received Pronunciation/RP)を使うのが主流だが、ダイアナ妃は河口域英語の特徴である「t」がなくなってしまう癖があったようで、エリザベス女王はそれをあまり良く思っていなかったという説もある。
ダイアナ妃について猛勉強中
ダイアナ妃の人生を「この世に存在した最も悲しい物語の1つ。ただ単にダイアナ妃を演じるだけじゃなく、彼女のことを徹底的に知りたい」ともInStyleに語ったクリステン。インタビュー時点で、ダイアナ妃に関する伝記を2冊読み終え、3冊目の中盤にさしかかったところだという。「映画の撮影が始まる前に、準備したすべての課題を終わらせるつもり」と、気合いは充分。
『Spencer』のメガホンを取るパブロ・ラライン監督は、クリステンをダイアナ妃役に起用した理由について、「クリステンは色んなものになれる。彼女はミステリアスでいながら儚く、そして非常に強い印象に見せることもできる。私たちが必要としているのはまさにそれで、それらの要素について考えた時、私はクリステンを思い浮かべた」と説明。「彼女の脚本への反応やキャラクターへのアプローチの仕方は、非常に美しいものとして目に映る。彼女はきっと、茫然とさせられるような美しさと興味を掻き立てるような何かを同時に表現してくれるはず」とも、米Deadlineにコメントしており、世間の人々が何と言おうと、監督からの信頼は絶大。クリステン本人も、そんな期待に応えようとフツフツと闘志を燃やしているよう。(フロントロウ編集部)