『ゲーム・オブ・スローンズ』でオベリン・マーテルを演じたペドロ・パスカルは、ある特別なオーディションを乗り越えていた。(フロントロウ編集部)

数えきれないほど多くの登場人物がいる『GoT』

 2011年から2019年にかけて放送され、最終章が放送された年のエミー賞では、史上最多となる32部門にノミネートされたドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』。そんな大人気ドラマへの出演をきっかけとして、メインキャストであるエミリア・クラークやキット・ハリントンなどは一躍トップスターとなった。

 群像劇である本作には、メインキャストだけでも両手では足りないほどの俳優が出演しているけれど、全8シーズンの間には、脇役だけれど記憶に残るキャラクターが数多く登場してきた。

オベリンのオーディションはiPhoneで

 2014年に放送されたシーズン4では、ペドロ・パスカル演じるオベリン・マーテルが存在感を放った。ペドロといえば、それ以前から様々なドラマや映画に出演しており、現在はディズニープラスのドラマ『マンダロリアン』で主役のマンドーことディン・ジャリンを演じている。演技派の中堅俳優であるペドロは、『ゲーム・オブ・スローンズ』でも“さすが”といったオーディションをくぐり抜けて役を手にしていたよう。『ゲーム・オブ・スローンズ』のショーランナーであるデイヴィッド・ベニオフが米Varietyに明かしたところによると、ペドロのオーディションは、なんとiPhoneのインカメラで行なわれたという。

画像: オベリンのオーディションはiPhoneで

「まず、それはiPhoneでの自撮りオーディションだったんだよね。通常のことではない。しかも当時のiPhoneはいい感じのカメラがついているものでもない。(画質は)最低だった。垂直方向で撮ったんだ。すべてがすごくアマチュアみたいに感じられたね。それ以外はすごく良くて、信じられるものだったし、正しいかんじだった」

オベリンはキャスティングが難しいキャラクターだった

 シーズン4は2014年に放送されたので、オーディションはその前に行なわれたことになる。当時から人気のiPhoneだけれど、今と比べてしまうとカメラの画質はかなり低い。対面であれば魅力が伝わるけれど、画面越しでは上手くいかないことは多々あるもの。そんななかでも自分の魅力を伝えきったペドロはさすが。しかも、制作陣はオベリンを演じる俳優に対して様々な条件を持っていたという。

「キャスティングにおいてトリッキーな役柄だった。オベリンは物語の途中で登場したけれど、画面の外で他のキャラクターと何年も闘ってきたという自信のみなぎった態度が必要だった。私達は、カリスマ性や性的魅力があり、身体的な強さや深さを持つ俳優を探した。そしてその人は、男性にも女性にも魅力的でなければならなかった。視聴者が、彼は殺しをすると信じられる人物でなければならなかった。オベリンはその芯に白熱した怒りを持ち、それが彼のモチベーション。私達は、その怒りを伝えられる一方で、求められた時にはセンシティブで面白くいられる人物を求めたよ」

 制作陣の期待に応える魅力を持ち、2014年のiPhoneを使ったオーディションを乗り越えて役を得たペドロ。さらに、初日の撮影からピーター・ディンクレイジ演じるティリオンとの重要なシーンを撮らなければならず、しかもショーランナーのデイヴィッドとD・B・ワイスは現場で見守ることができなかったという。ペドロも緊張していたそうだけれど、翌日に映像を確認したデイヴィッドは、お世辞ぬきにペドロの演技を絶賛したとのこと。(フロントロウ編集部)

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