『ザ・バットマン』キャットウーマン役で勢いが増すゾーイ・クラヴィッツ
マット・リーヴス監督による映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』でキャットウーマン/セリーナ・カイルを演じたゾーイ・クラヴィッツは、その独特な雰囲気とスタイルでファンを惑わし魅了している。そんなゾーイって、一体何者?
ゾーイ・クラヴィッツの家族は超豪華
1988年に生まれたゾーイは、俳優のリサ・ボネットとレジェンド的ミュージシャンのレニー・クラヴィッツを親に持つ。また、レニーの母でゾーイの祖母であるロキシー・ローカーも俳優。リサとレニーはゾーイが5歳の頃に離婚しており、ゾーイは11歳までを母と、その後は父と一緒に暮らした。リサは2005年にジェイソン・モモアと交際を始めて2017年に結婚。リサとジェイソンは、2022年に入り、離婚を発表したが、家族として良好な関係を続けており、ジェイソンは今でもゾーイにとって義父のような存在。
現在ではゾーイも人気俳優となり、メディアの前に家族と一緒に姿を見せることもあるけれど、10代の頃には美しい親の存在や、通っていた学校が合わなかったことなどから、過食症になっていたことを明かしている。現在の状態は「OK」だとはしながらも、注意はしていると2020年に米Elleで話した。
ファンタスティック・ビーストからX-MENまで引っ張りだこ
そんなゾーイは、2007年公開の映画『幸せのレシピ』でデビュー。2011年には『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』でエンジェル・サルバドーレ役に抜擢され、2015年の大ヒット作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ではトースト役に起用。『ファンタスティック・ビースト』シリーズではリタ・レストレンジを演じ、ドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』ではボニーを演じと、俳優としてのゾーイの勢いは加速するばかり。そしてついに、『ザ・バットマン』のキャットウーマン役を獲得し、歴代の俳優たちに負けない“唯一無二のキャットウーマン”を表現してみせた。
前キャットウーマンたちのお墨つき
キャットウーマン役は、じつはゾーイにとって因縁がある。彼女は、クリストファー・ノーラン監督によるDCコミックス映画の『ダークナイト』3部作のオーディションを受けようとしたけれど、外見によって受けさせてすらもらえなかったと米NYLONのインタビューで明かしている。
「『ダークナイト ライジング』では、私の見た目が“都会的すぎる”っていう理由で小さな役のオーディションすら受けさせてもらえなかった。「一体、物語と何のか関係があるの?」って納得がいかなかったな。だって、私には「よう、バットマン、元気?調子どう?」みたいなチャラい役しかできないって勝手に決めつけられているみたいだった」
ちなみに、『ダークナイト ライジング』ではアン・ハサウェイがキャットウーマンを演じた。アンはゾーイへのアドバイスを求められた時に、「階段から降りてくる彼女を見たでしょ?うん、彼女は私のアドバイスを必要としてないよ」と話し、ゾーイによるキャットウーマンを絶賛。
さらに、映画『バットマン・リターンズ』でキャットウーマンを演じたミシェル・ファイファーと映画『キャットウーマン』でキャットウーマンを演じたハル・ベリーも、ゾーイが『ザ・バットマン』の公開に合わせてインスタグラムに投稿したキャットウーマン姿の写真に反応する形でゾーイに賛辞。
ミシェルは“ハート”や「ホット」を意味する“炎”、“万歳”、“拍手”の絵文字でエールを送ったほか、ゾーイがキャットウーマン役に抜擢された瞬間からサポートし続け、個人的にアドバイスもしたというハルは「イエス!!!!(作品を観るのが)待ちきれない!ミャオ!」とテンション高めにコメントしていた。
キャットウーマンの先輩たちに猫の絵文字を使って返信していたゾーイ。新旧キャットウーマンたちのやり取りにファンたちが大興奮したことは言うまでもない。
キャットウーマン役作りのための「謎時間」
『ザ・バットマン』の劇中で見せたキャットウーマン特有のアクションシーンのために、猫はもちろんライオンといったネコ科の動物をじっくりと観察したほか、ダンスやカポエラなどをミックスした動きをマスターしたというゾーイ。
『ザ・バットマン』の撮影スケジュールには、トレーニングやリハーサルのほかに「キャット・タイム」と称した時間が組み込まれていたそう。この時間は、劇中に登場したセリーナの猫たちとの絆を深めるために設けられたもので、ゾーイが米トーク番組の『The Tonight Show』で説明したところによると、とある部屋でただただ猫たちと一緒に過ごすというものだったという。
猫というのは気まぐれでマイペースな生き物。一緒の部屋で毎日数時間過ごしたからといって、これといって絆が深まるということはなく、ゾーイは「私はただぽつんと座っていただけ。猫たちはただ去っていくだけでした」と、キャット・タイムが役作りに本当に役に立ったかどうかは疑問だと明かした。
モデルや歌手としての一面も
ゾーイがもつ独特な雰囲気は様々な世代から支持を集めており、モデルとして多数のファッション雑誌の表紙を飾り、高級ファッションブランドのキャンペーンにも起用されてきた。
そして、ゾーイの俳優以外の顔で忘れてはならないものといえば、ミュージシャン。Elevator Fightというバンドでフロントを務めていた彼女は、2014年より自分のバンドであるLolawolfを組んで活動。2008年のアメリカ大統領選挙でバラク・オバマ氏を支持するためにウィル・アイ・アムが公開したミュージックビデオ「ウィー・アー・ザ・ワンズ」でも、歌声を披露した。最近では、2018年にジャネール・モネイがリリースしたアルバム『ダーティー・コンピューター』の収録曲「スクリュード」でフィーチャリングしている。
あんなところに猫が! プレミアでのファッションにどよめき
身長157cmと小柄ながら、クラシカルな1着から攻めの1着までレッドカーペットはもちろん、プライベートでの着こなしにも定評があるゾーイ。
そんなゾーイが『ザ・バットマン』のニューヨークプレミアに選んだのが、胸元に2匹の猫が寄り添うオスカー・デ・ラ・レンタ(Oscar de la Renta)のブラックドレス。
フェティッシュなレースアップのデザインがキャットウーマンのスーツを連想させる、セクシーさと可愛さが共存するドレス姿は「そう来たか! 」と世間を唸らせた。
有名俳優とのロマンスや結婚も ゾーイの恋愛遍歴
才能豊かで美しいゾーイは、同業者である人気俳優やさまざまなジャンルで活躍するパートナーとのロマンスが報じられてきた。
2011年から2013年までは、ドラマ『ゴシップガール』や『YOU ー君がすべてー』で知られる俳優のペン・バッジリーと交際。
2018年には、約2年の交際を経て映画『ネオン・デーモン』などの俳優カール・グルスマンと結婚。フランスで行なった結婚式には、ドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』の共演者ニコール・キッドマンやリース・ウィザースプーン、ローラ・ダーンらも出席して話題となったが、約1年半の夫婦生活の末に離婚した。
そのほかにも映画『スター・トレック』のクリス・パインや『X-MEN』シリーズで共演したマイケル・ファスベンダー、『ファンタスティック・ビースト』シリーズで再共演を果たしたエズラ・ミラー、ラッパーのドレイクらとの熱愛が伝えられたゾーイ。
2021年8月には、映画『マジック・マイク』などで知られる俳優のチャニング・テイタムとの交際が発覚。
ゾーイが初監督を務める映画『Pussy Island(原題)』の主演にチャニングがキャスティングされたことがきっかけで急接近。2022年3月の米ELLEとのインタビューでチャニングとの関係について聞かれたゾーイは、詳しくは語らなかったものの「幸せです」とだけコメントしている。
チャニングはゾーイの“義父”であるジェイソンと一緒に『ザ・バットマン』のプレミアに駆けつけるなど、家族ぐるみの順調な関係をを育んでいる模様。
『ザ・バットマン』のキャットウーマン役を経て、さらにキャリアに磨きがかかったゾーイ。今後の活躍から目が離せない。(フロントロウ編集部)