人生の望みや挫折を痛烈に描く『I Hate Suzie(アイ・ヘイト・スージー)』
ドラマ『I Hate Suzie(アイ・ヘイト・スージー)』はドラマ『ドクター・フー』でローズ・タイラーを演じたビリー・パイパーと、ゴールデン・グローブ賞やエミー賞など名だたる賞を受賞しているドラマ『サクセッション』の制作総指揮と脚本を務めるルーシー・プレブルがタッグを組んで制作したイギリスのドラマ。
アメリカのHBO Maxで2020年11月19日より配信がスタートした本作は、米辛口批評サイトRotten Tomatoesで早くも90%を獲得する高評価。フィービー・ウォーラー=ブリッジのドラマ『フリーバッグ』のように心にグサっとくるようなことを描いたショッキングかつ悲劇的なストーリーで多くの観客の心を掴んでいる。
ドラマ『I Hate Suzie(アイ・ヘイト・スージー)』のあらすじは?
主人公は元子役として活躍し、ポップスターとしても大人気だったスージー。パーティーガールのような暮らしぶりをしている彼女だけれど、実は落ち目の俳優で、家族とイギリスの田舎で暮らしている。
そんなある日、スージーはスマホをハッキングされ、浮気真っ最中の写真が拡散されるハメに。スージーの親友でマネージャーのナオミは彼女の人生、キャリア、結婚を維持しようとするものの、スージーは混乱し、ドツボにハマっていく。
『ショック(Shock)』、『否定(Denial)』、『恐怖(Fear)』、『恥(Shame)』、『駆け引き(Bargaining)』、『罪悪感(Guilt)』、『怒り(Anger)』、そして『受け入れ(Acceptance)』というタイトルの8つのエピソードで構成される本作は、エピソードごとにスージーのトラウマを掘り起こす。『I Hate Suzie(アイ・ヘイト・スージー)』でスージーが失ったものは、家族やキャリアなどではなく、もっと重要な部分だった。
本作の見所は、スージー役のビリー・パイパーが見せる並外れた演技力。パニックと落ち着き、抑圧と怒りなど、同時に心の中に渦を巻く矛盾した感情をうまく表現している。物語は「写真が流出した」というショッキングな事件から始まるものの、まるでドラマ『フリーバッグ』のように、それに関連して、見て見ぬ振りをしてきた感情や意識、そして固定観念など、見たくないものを真正面から映し出す。
そんな衝撃的なドラマ『I Hate Suzie(アイ・ヘイト・スージー)』は、現在アメリカのHBO Maxなどで配信中。(フロントロウ編集部)