テイラー・スウィフト、4年来の恋人にまつわる「ウワサ」を認める
シンガーのテイラー・スウィフトがパンデミック禍で極秘に制作し、7月にサプライズリリースした8thアルバム『フォークロア(Folklore)』は、2020年内に最も高いセールスを記録したアルバムに。2021年2月に授賞式が開催される第63回グラミー賞では、年間最優秀アルバム賞にノミネートを果たした。
テイラーが、『フォークロア』の共同制作者であるジャック・アントノフやバンドやザ・ナショナルズのアーロン・デスナーらとともに、全収録曲を披露したライブセッションの模様を収めた映画『Folklore: The Long Pond Studio Sessions』が、11月25日から欧米のディズニープラス(Disney+)で配信開始。
そのなかで、各楽曲の裏話を明かしたテイラーが、ファンたちの間でささやかれていた、彼女の4年来の恋人である俳優のジョー・アルウィンが、偽名を使っていくつかの楽曲の制作に関与しているのではないかという説をあっさりと認めた。
「ウィリアム・バウリー」はやっぱりジョー
『フォークロア』のリリース告知の中で、「ウィリアム・バウリー」という名の人物が収録曲2曲の制作に携わったことを明かしていたテイラー。しかし、ファンたちが調べてみたところ、「ウィリアム・バウリー」という人物は存在せず。
作曲家や指揮者として活動していたジョーの祖父の名前が「ウィリアム」であり、テイラーとジョーの数少ないツーショットがパパラッチのカメラに激写されたのが、ニューヨークにある老舗ホテル、「バワリー・ホテル」であることなどから、すぐに、この人物の正体がジョーなのではないかという説が駆け巡った。
この件について、「ウィリアム・バウリーや彼の正体に関して、色々と意見が飛び交っているよね。だって彼は実在しない人物だし…」と切り出したテイラーは、「そう、ウィリアム・バウリーはジョーなの。みなさんもご存知の通りね」と、さらりと白状。
ジョーと一緒に楽曲を作ることになった経緯について、「ジョーは、すごくピアノを弾くのが上手なの。いつも弾いているし、即興で曲を作ったりもしてる」と語り、ウィリアム・バウリーがクレジットされている「Exile」は、もともとはジョーとのデュエット曲として誕生したものであることを明かした。
最初はジョーとのデュエットだった
「Exile」は、バンド、ボン・イヴェールのジャスティン・ヴァ―ノンをフィーチャーした楽曲で、テイラーの可憐で繊細な歌声とジャスティンの低く、温かみのある声が織りなすハーモニーが心地良い、切ないバラード曲。
テイラーの公式YouTubeでは『Folklore: The Long Pond Studio Sessions』でジャスティンとリモートで披露したパフォーマンスの動画が公開された。
「『Exile』はクレイジーだった。だって、ピアノの全パートを書き上げたのはジョーだし、ボン・イヴェールが歌ったパートは彼が歌ってたんだから」。そう明かしたテイラーは、ジョーがピアノで「Exile」の最初のバースを弾き語りしているところに歩み寄り、一緒に「その曲の続きを書き進めてみよう」と提案したのだと振り返った。
「デュエット曲にするべきだっていうのは、明らかだった。ジョーの声はとても低いんだけど、その音域で歌っているのがすごく素敵だったから」とも話したテイラー。彼女もジョーも、そろってボン・イヴェールの大ファンで、アーロンがジャスティンと友人であることからトントン拍子に話が進み、ジャスティンがジョーが歌っていたパートを歌うことが決まったという。
「Betty」にもジョーが参加
歌詞にテイラーと親交がある、ドラマ『ゴシップガール』のブレイク・ライブリーと映画『デッドプール』のライアン・レイノルズ夫妻の3人の娘たちの名前が登場することでも話題になった楽曲「Betty」も、ジョーが共作した曲だそう。
ジョーが参加した初めての曲である「ベティ」について、テイラーは、「彼が『ベティ』のサビ部分のほぼ完成形を歌っているのが隣の部屋から聞こえて、私は、『え、もしもし?』って反応しちゃった」と、完成度とクオリティの高さに驚いたことを回顧。
これがきっかけで、それまで、ジョーと一緒に曲を作るなんて考えたこともなかったけれど、「ねえ、これってすごく変かもしれないし、嫌だなって思ってしまう可能性もあるけど…(パンデミックの影響で)自主隔離中で、ほかにやる事もないし、ちょっと一緒にこの曲を書いてみない? 」とジョーを誘ったという。
「Betty」は、恋人がいながら別の女の子と浮気をしてしまったある男子高校生の視点で語られた曲。この青年が「ベティ」という名の本命のガールフレンドに対して、ほかの女性に目移りしてしまったことへの後悔や懺悔を並べる内容となっている。
仕上がって行く曲をジョーが歌うのを聴きながら、テイラーは、男性目線で、男性の声で歌っているのが「すごく良い」と感じたそうで、「謝罪っぽく聞こえるのが、とても良いなって。これまで私は、女性目線で、男性に謝罪を求めるような曲はたくさん書いてきたけど、この曲は、自分の愚かさによって人生で一番大な人を失ってしまった10代の男の子の視点で、謝っている歌にしようって決めたの」と、ジョーと相談してコンセプトを定めたことも明かした。
ジョーが『フォークロア』の制作に「ウィリアム・バウリー」として参加していることが明確になったことや、テイラーが彼の音楽的才能を絶賛したことにより、ジョーのソングライターとしての注目度が急上昇。米Billboardが毎週発表している、優秀なソングライター100人のリストのトップ10圏内に架空の人物である「ウィリアム・バウリー」が急浮上するという珍事も発生した。
This week's top 10 on the #Hot100Songwriters chart:
— billboard charts (@billboardcharts) August 5, 2020
1. @taylorswift13 (4th week at No. 1)
2. @aaron_dessner (debut)
3. @jackantonoff
4. @JuiceWorlddd
5. @JColeNC
6. @RoddyRicch
7. @DaBabyDaBaby
8. @lilbaby4PF
9. William Bowery (debut)
10. @ozmusicproducer (tie)
10. @Drake (tie)
ちなみに、このチャートのトップにはテイラー、2位と3位には、『フォークロア』の共同プロデューサーであるジャックとアーロンがつけている。
普段はジョーとの関係についてほとんど語らないテイラーが、インタビューなどで「ジョー」と彼の名前を出して発言するのは、今回が初。テイラーは、これまで「彼」と呼ぶことはあっても「ジョー」と名前呼びをしたことはなかった。この変化は、『フォークロア』での共同作業も経験したうえで、ジョーとの関係が、それくらい確実で公にしても良いと思えるようなものへと成長したことの表れなのかも。(フロントロウ編集部)
※記事公開後に新情報が入ったため、一部加筆・修正しました。