映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズを降板したジョニー・デップに代わって、ゲラート・グリンデルバルドを演じることになった俳優のマッツ・ミケルセンが、撮影に参加した感想や役作りについて語った。(フロントロウ編集部)

マッツ・ミケルセンはグリンデルバルドをどう演じる?

 今年11月、製作・配給元のワーナー・ブラザースからの要請を受けて、映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズからの降板を発表した俳優のジョニー・デップに代わり、ゲラート・グリンデルバルドを演じることになった“北欧の至宝”と言われる俳優のマッツ・ミケルセンが、役を引き継ぐにあたって、前任のジョニーとは一切話し合いを行なっていないことを明かした。

 つい先日、AP通信のインタビューに応じたマッツは、「(『ファンタビ』の撮影に参加して)1週間くらい経ったね。良い人たちばかりで、みんな素晴らしい。デヴィッド・イェーツ監督も“ファンタスティック”で、本当に良い人だし、監督としても最高。今のところ何もかも良い感じだ」と言うと、続けてインタビュアーから“ジョニーと話はしたか”と質問されこう答えた。

 「いいや。僕は彼のことをあまり知らないんだ。過去に一度会ったことがあるだけ。彼の電話番号を知っていたらよかったんだけど、残念ながらそうじゃない」

 ジョニーにとっては不本意なかたちでの降板だったので、話をしていないのは当然といえば当然だが、インタビュアーの唐突な質問にも「電話番号を知っていれば…」と真摯に答えたマッツは、すでにジョニーが作り上げたグリンデルバルドのイメージを壊すことなく演じることについて、「正直に言えば、私にできることは何もないと思ってる。(あるとすれば)彼が作り上げたものと、私が作り上げるものを“橋”でつなげることかな。それが私にできる唯一のことだと思う。あとはそれがどうなるのか見届けるだけだ」と語った。

画像: マッツ・ミケルセン(左)とゲラート・グリンデルバルドに扮したジョニー・デップ(右)。 Photo:©︎HEYDAY FILMS/WARNER BROS. / Album/Newscom

マッツ・ミケルセン(左)とゲラート・グリンデルバルドに扮したジョニー・デップ(右)。
Photo:©︎HEYDAY FILMS/WARNER BROS. / Album/Newscom

 ご存じの方も多いと思うが、今年11月、元妻アンバー・ハードへのドメスティック・バイオレンス(家庭内暴力)を報じた英紙との名誉毀損裁判でジョニーが敗訴したことをうけて、『ファンタスティック・ビースト』シリーズを製作するワーナー・ブラザースがジョニーにグリンデルバルド役を辞退するよう要請。それに応じたジョニーは、後日、自身のインスタグラムに投稿した直筆のメッセージを通じて、『ファンタスティック・ビースト』シリーズを降板したことを発表した。

 ジョニーの降板を知って、真っ先にコメントを出したアルバス・ダンブルドア役のジュード・ロウは、「こういった状況ではスタジオの判断に従うしかない。我々にできることはそれだけだ。私たちは自分に与えられた役割を果たす必要がある。このようなフランチャイズでは、大きな決断を下すのはスタジオなんだ」と、俳優側に決定権は一切ないことを強調

 また、ノー・マジ(非魔法族)のジェイコブ・コワルスキー役で出演するダン・フォグラーは、スタジオ側はシリーズを成功させるために非常に難しい判断を迫られたことは理解しているとしながらも、「ジョニーにとって最善なことと、映画にとって最善なことは同等ではないかもしれない。正しい判断が必ずしも公平とはかぎらない。そんな単純なことじゃない」と、複雑な胸中を明かしている。(フロントロウ編集部)

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