無重力気分が味わえる「アイソレーションタンク」
フロートスパやフロートタンクともよばれる「アイソレーションタンク」とは、重力や音、光を感じない不思議な感覚を体験することができる、感覚を遮断できる装置のこと。
アイソレーションタンクは、中に水が入った人が入れる大きさのカプセルのようなタンクで、その特徴はなんと言っても、死海のように水の上で身体が浮くところ。大量のエプソムソルトを溶かした高濃度の塩水が入っていることで身体が浮き、無重力のような解放感が楽しめる。そのうえ塩水が体温に近い温度に設定され、暗闇になり、音までも遮断されることで、五感やあらゆる刺激も感じなくなり、リラックスして時間を過ごせるのだという。
アイソレーションタンクは、じつは脳科学の研究のために1950年代に開発され、NASAの訓練やアスリートのイメージトレーニングなどで用いられてきたもの。そんなアイソレーションタンクを取り入れたスパが、海外ではここ数年で急増。俳優のエマ・ワトソンやジェニファー・ローレンス、ザック・エフロンなど多くのセレブもハマっているという。
40店舗近くのフロートスパを経営するマンディ・ロウ氏は、「アイソレーションタンクは今、かつてないほど人気が高まっている」と米Byrdieでコメント。ちなみに日本はというと、体験できるスパや施設がわずかながらも増加中で、徐々に注目度も上がってきている。
海外でブームとなっているアイソレーションタンクにはどんな効果が期待できるのか、専門家の解説をご紹介。
入ることで期待できる効果は?
アイソレーションタンクに入ることで期待できる効果のなかでも注目なのが、ストレスや不安の軽減ができるというメンタルケア。ロウ氏は、「あらゆる感覚が遮断されて深くリラックスできることで、ストレスホルモンとよばれるコルチゾールの分泌が低下して、意欲や快感をつかさどるドーパミンの分泌が活性化するんだ」と説明。この作用により、神経系を落ち着かせて癒しをもたらしてくれるという。
また、重力から解放されることで筋肉や骨格がゆるみ、首や肩の緊張をほぐしたり、安眠を促したりしてくれる働きもあるのだとか。そのほかにも、脳をリラックスさせて深い瞑想状態に入れることや、アイデアやインスピレーションが浮かびやすくなるなど、さまざまなメリットをもたらしてくれる。
実際にLAの人気フロートスパ「pause」でアイソレーションタンクを体験した美容エディターのフェイス・シュェは、「まるで子宮のなかに浮かんでいるような不思議な感覚だったけれど、今までに感じたことがないほど心地よかった」とコメント。約1時間の体験後も心がスッキリしているように感じ、身体も軽く感じたことから、また行ってみたいと話した。
海外で大注目のリラクゼーション、アイソレーションタンク。日本でも徐々に普及が進んでいるので、気になる人はチェックしてみて。(フロントロウ編集部)