『ゲーム・オブ・スローンズ』でエミリア・クラークが演じたデナーリス・ターガリエンは、元々はタムジン・マーチャントが演じる予定だった。一体なぜ降板に?(フロントロウ編集部)

俳優の変更がたびたびあった『GoT』

 2011年から2019年まで放送され、世界的大ヒットとなったドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』からは、エミリア・クラークメイジー・ウィリアムズ、キット・ハリントンなど、数多くのスターが誕生した。

画像: 『ゲーム・オブ・スローンズ』のキャストたち。

『ゲーム・オブ・スローンズ』のキャストたち。

 しかし、パイロット版では違う俳優が演じていたり、シリーズの途中で俳優が交代したりしていた『ゲーム・オブ・スローンズ』。例えば、ネッド・スタークの妻キャトリンは、パイロット版ではミシェル・フェアリーではなくジェニファー・イーリーが演じていたし、マウンテンは、シリーズを通してコナン・スティーヴンス、イアン・ホワイト、ハフソー・ユリウス・ビョルンソンの3人が演じた。

デナーリス役にはタムジン・マーチャントを起用

 そんななかでも、大きな変更といえば、主人公の1人であるドラゴンの母、デナーリス・ターガリエンの配役。エミリアを一躍有名にしたデナーリスというキャラクターだけれど、元々は、タムジン・マーチャントが演じていた。

 ドラマ『THE TUDORS〜背徳の王冠〜』や『カーニバル・ロウ』で有名なタムジンは、パイロット版に参加し、夫のカール・ドロゴを演じたジェイソン・モモアとはベッドシーンの撮影も。その時、人間の裸に興奮した子馬のせいで撮影が中断されたという珍エピソードもある。

 そんなタムジンの降板は、彼女の意思だったという。米EWのインタビューで、10年越しに当時抱えていた思いを明かした。

画像: デナーリス役にはタムジン・マーチャントを起用

 「自分の直感に耳を傾けてそれに従うことの重要さを確認させる経験だった。なぜなら、私はあの状況から手を引こうとしたから。実際に契約のさなかで降板したんだ。そうしたら説得力のある人達に引き留められた。その結果、私は裸の状態で怯えながら、モロッコで、私よりもはるかのその状況を楽しんでいた馬に乗っていた。
 その物語は楽しみではないと自分の直観が言っているのであれば、他の人があなたに、楽しみにしているべきだと言ったところで、楽しみであるフリをするべきじゃない。私は俳優としての訓練をしてなかったし、自分の直観しかなかった。私の気分を高め、私を行動させるのは、説得力のある物語やキャラクター。そして私にとって、『ゲーム・オブ・スローンズ』がそうであることはなかった。あれはエミリア・クラークこそが、アイコニックに仕上げるための役柄だったと思う。彼女はあの物語をやるのを楽しみにしていたし、彼女は最高で完璧だった。でも私にとって、あれは私が語るものではなかった」

 降板という経験や、そのドラマがその後世界的大ヒット作品になったという事実は、苦い思い出にもなりえるけれど、タムジンの口ぶりからは、良い経験だったと捉えている様子が見てとれる。

 ちなみに、彼女が少し触れた裸での撮影は、エミリアもたびたび苦言を呈しており、最初の頃には撮影前に泣いていたという。しかしキャリアを積んでからは、制作陣によって無理にヌードシーンをやらされそうになった時には、「ファック・ユー」と反応していたことを明かしている。(フロントロウ編集部)

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