エイズに翻弄される80年代ロンドンのLGBTQ+コミュニティを描いたドラマ『It’s a Sin(原題)』のリディア・ウェストが、アライとしてすべきことがあると語った。(フロントロウ編集部)

リアルなLGBTQ+コミュニティを描いた英ドラマ

 1980年代のイギリスのロンドンを生きた5人組を主人公に、エイズに翻弄されるLGBTQ+コミュニティを克明に描いたドラマ『It’s a Sin(イッツ・ア・シン)』が、非常に高い評価を得ている。

 本作は、ショーランナーであり、ゲイであるラッセル・T・デイヴィスの実体験が基となっており、そのシリアスなテーマから放送局がなかなか見つからず、その後Channel 4の協力で実現したものの、当初予定されていた8エピソードから5エピソードに短縮して放送された。

 しかしその影響力は大きく、イギリスでのドラマの放送後には、前年度よりも約4倍もの人々が検査に訪れたことが明らかとなり、主演でLGBTQ+アクティビストのオリー・アレクサンダーも、感動の言葉を口にしている。

 一方で、同性カップルのベッドシーンに対するネガティブなコメントがタブロイド紙から出されたこともある。その件についてラッセルは、英Digital Spyのインタビューで、こう話している。

 「人々が(同性カップルの)セックスにどう感じるかは心配していない。なぜなら、これは私たちのセックスだからだ。これが事実なのだから。男性たちが愛し、生き、そして死んだ物語を語るのに、セックスなしでどう語るんだ?」

LGBTQ+アライとして何が出来るのか?

 ラッセルは自身が手掛ける作品のキャスティングにおいて、LGBTQ+のキャラクターにはLGBTQ+当事者である俳優を起用することを信念としており、本作でも多くの俳優たちが、リアルなコミュニティの様子を描いた。

 しかし本作にはLGBTQ+アライのキャラクターも登場し、リディア・ウェストが演じたジルは、80年代当時からLGBTQ+コミュニティのために様々なキャンペーンやチャリティ活動を行なってきた俳優のジル・ナルダーがモデルの1人である。

 リディア・ウェスト。

 そんなジル役として本作に参加するなかで、リディアは、2021年になった現在でも、まだまだやるべきことは多いと感じ、アライとして何をすべきかについて学んだと、英ポッドキャスト番組『Make It Reign』で語った。

 「何が興味深いかって、当時、セックスはすごく解放的なもので、楽しくて、人々は真実を生き、セックスをし、素晴らしい時間を過ごしていた。しかし突然、セックスと結びつけられる言葉は、エイズ(AIDS)になり、それは90年代や2000年代まで続いた…。それは、同性愛嫌悪やトランスフォビア、バイセクシャル嫌悪などを無くすために、まだまだどれだけのことをしていかなければならないかを表していると思う。まだ多くのことをしていく必要がある。そして、それはLGBTQ+アライ側がすべきことでもある」

 差別問題においては、差別されていない人々の行動が非常に重要になる。最近では、同性婚が出来る国も増えていたり、LGBTQ+当事者の俳優や有名人が増えていたりする一方で、『It’s a Sin』の制作がすんなりとはいかず、放送後にネガティブなコメントが向けられたという事実は、差別が根深いものであることが感じられる。

 それぞれは、今、何ができるのだろうか?(フロントロウ編集部)

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