『ザ・クラウン』の感想を語ったヘンリー王子
Netflixで配信されているドラマ『ザ・クラウン』は、イギリス王室のエリザベス女王を主人公に王室の裏側やイギリス社会の移り変わりを描いた作品。
歴史上、実際に起きた出来事をベースにし、実在もしくは実在したロイヤルファミリーが登場する同作は、独自の脚色が加えられたフィクションだが、ドラマチックな物語や実力派キャストたちによる迫真の演技が高い評価を受け、日本時間の3月1日に開催された第78回ゴールデン・グローブ賞でドラマ作品としては最多6部門にノミネート。
ドラマ部門の作品賞のほか、故ダイアナ妃を演じたエマ・コリンがドラマ部門の主演女優賞を、チャールズ皇太子を演じたジョシュ・オコナーがドラマ部門の主演男優賞、そしてマーガレット・サッチャー元英首相を演じたジリアン・アンダーソンがテレビの部の助演女優賞を受賞した。
そんな『ザ・クラウン』について、英王室にはあまり良い印象を抱いていない人もいるとウワサされるなか、先日、2020年3月をもって妻のメーガン妃とともに高位王族の座を退いたヘンリー王子がコメント。
米人気トーク番組『レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン』で、“いち視聴者”であることを明かしたヘンリー王子は、「あの作品は別に(世間が知らない)新しい情報を伝えるフリをしているわけじゃないからね。フィクションだけど、事実に大まかに基づいている。厳密に正確というわけではないけど」「あのドラマは、家族よりも何よりも義務や奉仕を優先しなくてはならないというプレッシャーや、それによって訪れる結果とか、王室のライフスタイルがどういうものかという、ざっくりとしたアイディアを与えてくれる」と、『ザ・クラウン』はフィクションながら王室に生きる人々の苦悩や葛藤をなかなかうまく表現しているとポジティブな感想を語った。
『ザ・クラウン』のキャストたちが嬉々として反応
これを受け、ゴールデン・グローブ賞で受賞を果たしたエマ、ジョシュ、ジリアンの3人がそれぞれ授賞式のバーチャル記者会見で喜びの反応を見せた。
ヘンリー王子の母であるダイアナ妃を演じたエマは「ヘンリー王子が番組について認識してくださっているなんて、本当に感動しました。感想を言ってくださったことや、その内容に本当に感謝しています」とコメント。
さらに、「ご存じの通り、私はヘンリー王子のお母様を演じました。それはとてもセンシティブなことだったと思います。それでも、認めてくださったことにとても感動しましたし、楽しんでいただけたことを嬉しく思っています」と語った。
チャールズ皇太子役のジョシュは、ヘンリー王子が「観てくださったことがとても嬉しいです」と、番組を見てくれただけでも光栄だとコメント。
サッチャー首相役のジリアンは、「ヘンリー王子には、何が事実で何がフィクションかをジャッジする正当な権利をお持ちです。王子が(クリエイターの)ピーター(・モーガン)が『ザ・クラウン』でやろうとしていることを理解してくださっている事がわかって私は嬉しかった。愛や家族よりも(王族としての)義務や奉仕を優先しなくてはならないという困難にまつわる繊細なストーリーを伝えようとしているという事を。ヘンリー王子はそんな経験をもう何年もなさってきたのでしょうから」と、クリエイターのメッセージが王室で育ったヘンリー王子にも、きちんと伝わっていることは喜ばしいと話した。
『ザ・クラウン』視聴者のロイヤルファミリー
『ザ・クラウン』の視聴者であることを明かしているロイヤルファミリーは、ヘンリー王子以外にも。
エリザベス女王の次男アンドルー王子の元妻で、ユージェニー王女とベアトリス王女の母であるヨーク公爵夫人セーラ・ファーガソンは、「美しい作品ですよね。撮影方法が素晴らしい」、「私の結婚式の表現の仕方もすごく好きでした」とストーリーには触れずに、米Us Weeklyに仕上がりを高く評価。
エリザベス女王の孫ザラ・ティンダル(旧姓:フィリップス)の夫で元ラグビー・選手のマイク・ティンダルは、2020年11月の時点ではシーズン3の半分までしか観ていないことを明かしながら、「追いつかなくては」と、ブームに乗り遅れたくないとラグビー専門ポッドキャストでコメント。
「みなさんが興味を持っている時代について取り上げていますし、僕個人としても、すごく楽しみにしています」「みなさんの記憶に残っている出来事についても描かれるでしょう。それについては、それぞれ意見もお持ちのはず」と、シーズンが進むにつれ、現代人にとって馴染みのある出来事が登場し、それにより世間で議論が交わされるのを楽しみにしていると語っていた。(フロントロウ編集部)