マッツ・ミケルセンの華麗なる出演歴
映画『007 カジノ・ロワイヤル』のル・シッフルや『ドクター・ストレンジ』のカエシリウス、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)のゲイレン・アーソ、そして主演ドラマ『ハンニバル』で演じたハンニバル・レクターなど、とにかくダークでクセのある悪役を任せたらピカイチなデンマーク出身の俳優のマッツ・ミケルセン。
“北欧の至宝”の異名をとるマッツは、いわゆるハリウッド大作と括られる作品に進出する以前から、芸術的・哲学的なミニシアター系の作品にも数多く出演しているほか、ディズニー/ピクサー映画『モンスターズ・インク』のデンマーク語版で悪役ランドールの声の吹き替えを担当したり、日本人ゲームクリエイターの小島秀夫氏が監督したビデオゲーム『デス・ストランディング』のクリフォード・アンガー役を務めたりと幅広い作品に貢献している。
小島秀夫監督と。
最近では、ジョニー・デップから映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズのゲラート・グリンデルバルト役を引き継いだことが話題となったほか、母国デンマークとオランダ、スウェーデンの合作となった映画『アナザー・ラウンド(英題)』が第78回ゴールデン・グローブ賞の外国語映画賞にノミネート。アカデミー賞にも食い込むのではないかと期待が高まっている。
我が子に一番喜ばれた仕事
そんな輝かしい経歴を持つマッツだけれど、彼の子どもたちが一番喜んだのは、映画でもドラマでもゲームでも声優の仕事でもない、まったく予想外の仕事だった。
21年来の妻で振付師のハンネ・ヤコブセンとの間に現在29歳の長女ヴィオラと24歳の長男カールがいるマッツ。
米ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、これまでのキャリアにおいて自身の子どもたちに一番喜ばれた仕事は何かに言及するなかで、ヴィオラとカールのテンションが目に見えて上がったのは、シンガーのリアーナが2015年にリリースした楽曲「ビッチ・ベター・ハヴ・マイ・マネー(BitchBetter Have My Money )」(以下「BBHMM」)のMVへの出演だったと明かした。
「そうなんだ、僕があの“ビッチ”だったんだ」とユーモアのある言い方でリアーナとの共演を振り返ったマッツ。
「でも、なんで僕がビッチ役に選ばれたのかは今でも分からないんだよ…」と、リアーナ側からのオファーで「BBHMM」のMVへの出演が決まったことを明かしつつ、「子どもたちの間では僕の株が急上昇したよ。『007』シリーズに出ても“ふーん“、『スター・ウォーズ』シリーズに出ても“そうなんだ”って感じのリアクションだったのに、リアーナと仕事をするってわかった途端、彼らのテンションは最高潮だったね」と、子供たちの反応がそれまでとは明らかに違ったと話した。
リアーナが誰か知らなかった
米人気トーク番組『ジミー・キンメル・ライブ! 』でも、この件に言及したマッツ。
ポップカルチャーにかなり疎いことを明かしながら、エージェントからリアーナからMV
への出演依頼があった旨を伝えられた時は、内心「リアーナって誰?」と思っていたそう。
ヴィオラとカールに、リアーナという人物が誰なのか聞いてみると、彼らは大興奮。
「息子が僕の撮影現場に見学に来たいと言い出したのは、あの時が初めてだったね」と、カールに至っては、リアーナに会いたいがために今までに無いお願いをしてきたという。
しかし、マッツは結局カールを同伴せず。その理由について、「カールはちょっとリアーナにお熱だったと思う」とコメントしていたが、「BBHMM」のMVはかなり過激な内容で知られるため、当時まだ10代だったカールには少々刺激が強すぎると親心がはたらいたのかも。
ちなみに、マッツの出演シーンは終盤の約1分間ほど。暴力やヌード描写、不適切な言語を含む「BBHMM」のMVは年齢制限がかけられているためYouTubeのみで視聴が可能。マッツがリアーナに復讐される姿が見たい人は、ご自分でチェックしてみて。(フロントロウ編集部)