ブロガーのクリス・クロッカーが2007年にアップした、YouTube初期のバズり動画「Leave Britney Alone」が、なんとNFTとしておよそ480万円で落札。クリスがその売り上げの使い道についても語った。(フロントロウ編集部)

「Leave Britney Alone」を呼びかける動画がNFT作品として落札

 2007年、ブロガーであるクリス・クロッカー(Chris Crocker)によってYouTubeに投稿された、「Leave Britney Alone」と題された動画が大きな話題に。当時、メディアによる過剰な報道の標的となっていたブリトニー・スピアーズを「放っておいてほしい」と涙ながらに呼びかけたこの動画は、公開後の24時間で200万回以上再生され、YouTubeの初期の歴史において最も視聴された動画の1つに。ブリトニーの大ファンの涙の懇願と見た人がいる一方で、拡散を狙ったヤラセではないかと見た人もいて、当時色々な意味で大きな話題になった。

画像: 2007年10月、パパラッチに取り囲まれるブリトニー・スピアーズの乗った車。

2007年10月、パパラッチに取り囲まれるブリトニー・スピアーズの乗った車。

 2020年2月に、ブリトニーのメンタルヘルスをめぐる問題に焦点を当てたドキュメンタリー『Framing Britney Spears(原題)』が米Huluで放送され、ブリトニーに対するメディアやファンの過剰な熱狂ぶりが再び注目を集めているなか、今回、クリスが「Leave Britney Alone」の動画をNFT(ノン・ファンジブル・トークン)としてオークションに出品することを発表。

 「非代替性トークン」を意味するNFTとは、複製することができない独自の識別情報を持つ唯一無二のトークンとして、今回の動画のようなデジタルのアート作品に価値を与え、その所有権を保証するというもの。これによってバーチャル家具やデジタルアート、ミームなどデジタル上のものが商品として売られており、デジタル投資家の間で話題を集めている。

 トランスジェンダーであることを公表しているクリスは、米Insiderに対し、YouTubeにアップした「Leave Britney Alone」からはまったく収益をあげていないと明かした上で、「私が売りたいと思った本当の理由は、文字通りの打撃を受けてきたからです」と、動画を出品する理由について説明。クリスはこの動画が原因で「ゲイ・クラブで暴行を受けた」こともあると振り返り、そういった行為に及んだ人たちは「私がそのコミュニティを代表していることを屈辱に感じていたのだと思います」と語った。

動画は約480万円で落札

 その後、動画はおよそ480万円(4万3,753ドル)という高額で落札されることに。クリスは米Insiderに対し、この収益は祖母をサポートするために使うと明かしたほか、その後で余裕があれば、「私が自分自身でいる」ためにお金を使い、女性としてオープンに生きていきたいと語っている。

 クリスによれば、自身は女性としてオープンに生活したいと望んでいる一方で、クリスが暮らしている米テネシー州ブリストルでは、性的移行手術を受けない限りは女性として安全に生活できないと考えているという。「もし完全な性的移行手術を受けられなければ、私の安全は深刻な懸念事項になると考えています」とクリスは米Insiderに語っている。

 「周囲の人たちはとても後ろ向きで、私はすでに、フェミニンであるがために目立ってしまっています。ですので、私がこれからもここにいて、家族のそばに住み続けるのであれば、やるならすべてやらなければいけないと思っています」と続けて語り、女性として安心して生活を続けるために、動画の売り上げはぜひ手術の費用に充てたいと思っていると明かした。(フロントロウ編集部)

 

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