ジェームズ・キャメロン監督が、『アバター』の続編制作のプレッシャーについて明かした。(フロントロウ編集部)

ヒットメーカーのジェームズ・キャメロン

 巨匠ジェームズ・キャメロン監督は、映画『ターミネーター』シリーズ、『エイリアン2』、『アバター』といったSFアクションから、『タイタニック』といったラブロマンスまで大ヒットさせてきたという脅威のキャリアを持つ。

 『アバター』は全世界歴代興行収入1位であり、それまでの1位は『タイタニック』。つまり監督は、自分の作品で、自分の作品を抜くという大技を成し遂げている。

 そんなキャメロン監督は、現在、『アバター』の続編シリーズの制作に取り組んでいる。2028年に公開予定の5作目まで計画されており、スタジオ側からの期待がかけられていることは明らか。

 1作目は12年前の2009年に公開されたことを考えると、かなりの時間が経ったけれど、長らく環境問題に取り組んできたキャメロン監督が気候変動のテーマを組み込んだ『アバター』の続編が、より一層社会で環境保全が叫ばれるようになった現代に公開されることは、運命を感じる流れでもある。

画像: ⓒ20TH CENTURY FOX

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 とはいえ、全世界歴代興行収入1位の作品の続編と作るということで、当然のことながらキャメロン監督の肩にはかなりのプレッシャーがかかっているよう。

 米トーク番組『The Tonight Show(原題)』で司会者のジミー・ファロンに、どうやって2作目と3作目で、オリジナルを超えるのかと聞かれた監督は、笑いながらこう答えた。

 「泣いてる。自分のデスクに座って1日中泣いてる。なぜなら方法がないから。ただただプレッシャーが大きいんだよ」

 本当に1日中泣いているわけではないにしろ、1作目の大ヒットや、その莫大な製作費などを考えれば、泣きたくなるほどのプレッシャーがあることは簡単に想像できる。しかし監督は、観客が1作目で愛した部分を理解し、続編で描かれる新たなエリアに広げることで、ファンが楽しめるものにしようとしているそう。

画像: 2009年『アバター』の主演サム・ワーシントン(右)と話すジェームズ・キャメロン監督。

2009年『アバター』の主演サム・ワーシントン(右)と話すジェームズ・キャメロン監督。

 また、監督は、撮影に自分が楽しめる要素を盛り込んでいるそうで、「多くのシーンは海でのものだから、『アバター』の制作と海に行くことといった自分の好きな物事を組み合わせているよ」とのこと。

ジェームズ・キャメロン、『アベンジャーズ』をどう思っている?

 『アバター』は2021年4月現在、先に述べたように、全世界歴代興行収入1位の作品となっている。しかし2019年から2021年3月までは、MCU『アベンジャーズ/エンドゲーム』が1位の座を奪っていた。これは、『アバター』が中国で再公開されたことで、『アバター』の興行収入が更新されて起こったこと。

 しかしキャメロン監督は、この展開について気にしていないという。その代わりに監督が気にしていることがあり、それは、劇場の未来。

 新型コロナウイルスのパンデミックによって世界ではいまだに多くの劇場が閉館しており、その運営が立ち行かなくなるところも出てきている。また、NetflixやAmazonプライム・ビデオなどのストリーミングサービスの勢いもある。

 「私たちが集中する必要があるのは、劇場に戻ることや、『エンドゲーム』や『アバター』といった、10億ドルや20億ドル(約1,000億円から2,000億円)を作り出す巨大なマーベル映画やそういったものものが、今後もあるようにということ」だと語るキャメロン監督は、こんなメッセージを残した。

 「映画館というのは私たち全員にとって神聖な経験あるということを覚えていよう。そして、それをするのが安全になった時には、そこへ戻ろう」

(フロントロウ編集部)

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