皮肉でダークなコメディ『くたばれケビン!』
アリソンは、アメリカに住む専業主婦。夫のケヴィンとは結婚して10年が経つが、あるパーティーがきっかけで、彼女は自分の人生を取り返すことを決意する…。
そんなストーリーラインのドラマ『Kevin Can F**k Himself(原題)』が、高い評価を受けている。その物語は、ありがちといえばありがち。しかし本作が話題となっているのには1つの理由がある。それは、本作がシットコム(シチュエーション・コメディ)と普通のドラマを混ぜた映像で展開するということ。
アリソンがケヴィンやその仲間といる時には、シットコムのような映像で物語が進むが、アリソンがケヴィンたちへの苛立ちを心の内で爆発させたり、彼女が1人でいたりする時には、カメラワークなどは普通のドラマのようになる。
明るく、夫やその仲間の世話をする“嫁”というシットコムの登場人物であるアリソンが、そのドラマの中から抜け出し、自分の人生を取り返す。しかもそのなかでは、アリソンがケヴィンを殺す想像をするなど、かなりダークな展開も。
本作が、長年、様々なシットコム作品で女性キャラクターが性差別的に描かれてきたことに、深く鋭い皮肉と復讐を狙うものであることは、そのタイトルに大いに現れている。なぜなら“ケヴィンは自分でどうにかできる”という意味のタイトル『Kevin Can F**k Himself』は、2018年まで放送されたシットコム『Kevin Can Wait(原題)』を意識した皮肉であることは明らかだから。
アリソンを演じるのは、大人気コメディドラマ『シッツ・クリーク』のアニー・マーフィー。アメリカでは6月20日に放送開始。日本での放送は未定。
アリソンは自分の人生のどのような主人公になるのだろうか。
※追記:『Kevin Can F**k Himself』は『くたばれケビン!』の邦題でAmazonプライム・ビデオで配信中。
(フロントロウ編集部)