同性カップル、デイヴとフランキーと子供のミア
子供向け教育番組『セサミストリート』にシリーズ史上初めて、結婚した男性のカップルが準レギュラーとして登場した。2人が初登場したのは、「Family Day(家族デー)」と題された、家族にまつわるエピソード。
動画配信サービスHBO Maxで配信された同エピソードで、自転車店を営むニーナが、「みんなみんな、紹介させて! 私のきょうだいのデイヴ、彼の夫のフランキー、そして私のソブリナ(※スペイン語で姪という意味)のミア。私の姪ね」と、デイヴ&フランキー家をセサミストリートの住民たちに紹介。
そしてミアが父親たちに向かって、「パピィ、ダディ、セサミストリートは2人が言っていた以上にステキな場所だね」と喜ぶと、ほかの住民も、「気に入ってもらってよかった」「うん、エルモはみんが来てくれてすごく嬉しい!」と一家をウェルカムする。
そして別のシーンでは、血のつながった母と父を持つエルモや、血の繋がった母と血の繋がっていない父やきょうだいを持つアビーが自分たちの家族を紹介。それを見てあるキャラクターが、「みんなの家族は、とても異なっているよね」と言うと、フランクが「そうだね、家族にはいろいろなカタチがあるんだ。でも、私たちを家族としているものは、お互いを愛し合っているということだよ」と幸せそうに返し、その場にいたみんなで一斉にそれに同意するというやり取りが描かれている。
家族のカタチは1つじゃない、幼い頃から教えて
多国籍・多文化・多様性にあふれた番組づくりで知られる『セサミストリート』では、過去には、アルファベットを習うシーンで母親が2人いる男の子が登場したり、父の日のエピソードで父親が2人いる少年が登場して「君には継父がいるかもしれない、それとも父親が2人いるかもしれない」とナレーションが入れられたりと、過去にも子供を持つLGBTQ+が登場したことはあるものの、結婚した同性愛者のカップルが準レギュラーになるのはこれが初めて。
「ファミリー・デー」エピソード(『セサミストリート』公式YouTubeより)
とくにこのエピソードでは、“両親が同性”という家庭がさりげなく取り入れられていたことには称賛があがっており、番組を見た子供たちのあいだで、LGBTQ+の家族を含めて世界にはさまざまな家族のカタチがあるのだという有意義な会話がはじまるきっかけになるだろうと言われている。
エピソードを監督したアラン・ムラオカは、「セサミストリートは、どんなときもダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包括性)を歓迎する場所です。ですから、ニーナのきょうだいのデイヴと、彼の夫のフランク、そして娘さんのミアを、太陽の光が降り注ぐ私たちのストリートに紹介できることをとても嬉しく思います。(中略)この重要な節目となるエピソードを共同で監督できたことを、とても光栄に思いますし、謙虚に受け止めています。愛は愛であり、この特別な家族をセサミファミリーに加えることができてとても嬉しいです」と、インスタグラムでコメントした。(フロントロウ編集部)