「MeToo運動」の真っ只中に撮影がスタートした『ブラック・ウィドウ』
7月8日(木)に映画館にて、7月9日(金)にディズニープラス プレミア アクセスにて遂に公開されたMCUの最新作『ブラック・ウィドウ』。アベンジャーズの一員であるブラック・ウィドウの初単独映画となっている本作だが、ブラックウィドウを演じているスカーレット・ヨハンソンによれば、本作は、2017年に大物映画プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインによる長年にわたる性暴力が告発されたことをきっかけに起きた、「MeToo運動」の真っ只中に撮影がスタートしたという。
ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフの知られざる過去がテーマになっている映画『ブラック・ウィドウ』では、スパイ組織「レッドルーム」にて、フローレンス・ピュー演じる“妹分であるエレーナと共に、レッドルームの支配者に立ち向かう様が描かれている。
映画『ブラック・ウィドウ』の予告編はこちら。
今回、公開にあたって米Yahoo Entertainmentのインタビューに応じたスカーレットはそのなかで、本作の撮影がMeToo運動の真っ只中にスタートしたことについて、スカーレットはハーヴェイ・ワインスタインの件は「残念ながら、あれは多く(の性的搾取の例)におけるたった1つの例に過ぎない」とした上で、「映画のテーマについて本格的にディスカッションを始めたまさにその時に、MeToo運動が始まった」と振り返った。
ナターシャとエレーナの比較こそが重要とスカーレット
「私たちとしては、女性同士がサポートし合い、前に出てお互いを支え合うことで、共有しているトラウマを抜け出すという、この素晴らしいムーブメントに言及する必要があった」と語ったスカーレットは、「2つの比較を描く機会を逃してはいけないって思ったの」と、映画の内容をMeToo運動と比較したものにする必要性を感じたと明かした。
スカーレットは自身が演じているナターシャについて、「彼女は幼少期に経験したトラウマや搾取の被害者で、それは彼女が向き合いたくない過去として目を背けているものなの」と説明した上で、フローレンスが演じているエレーナについては、「冷静でありながら、活き活きとした頼りになる側面を持った、ものすごく自立した人なんだけど、自分に(自身の過去と)向き合うことを強制して、受け入れようとしているの」と説明。
「それこそが、今、起きていることだと思ったの」と、MeToo運動をきっかけに、女性たちが過去のトラウマと向き合おうとしていると指摘した上で、「そうしたことに言及できるプラットフォームを持てたことは喜ばしいことだった」とスカーレットは続け、本作でMeToo運動に反映できたことを嬉しく思っていると明かした。
スカーレットは以前にも、『ブラック・ウィドウ』とMeToo運動の関連について触れており、監督を努めたケイト・ショートランドは、本作で「他の女性を助ける女性についての映画を作ること」を意識していたことを明かしている。(フロントロウ編集部)