ノンバイナリーであることをカミングアウトし、プロナウン(代名詞)を「They/ Them」とすることを発表したシンガーのデミ・ロヴァートが、自身をミスジェンダリングしてしまう人たちに向けてメッセージを綴った。(フロントロウ編集部)

デミ・ロヴァートが自身をミスジェンダリングしてしまう人たちにメッセージ

 シンガーのデミ・ロヴァートは今年5月、男性や女性どちらにも分類・限定されないジェンダーを意味するノンバイナリーであることをカミングアウト。併せて、自身のプロナウン(代名詞)を「They/ Them」(※)とすることも発表した。

※おもに三人称複数として使われてきた「they」という言葉は、主語となる人物のジェンダーが分からない場合などには単数形としても使えるという特性があり、近年、ノンバイナリーの人々のプロナウンを表す言葉としても定着している。

画像: デミ・ロヴァートが自身をミスジェンダリングしてしまう人たちにメッセージ

 しかしながら、ノンバイナリーであることをカミングアウトしてからまだ2ヶ月ということもあってか、自身の希望とは異なる代名詞で呼ばれてしまうこともあるという。このように、本人の性自認と異なる代名詞などを用いてその人を表現することは、“ミスジェンダリング(misgendering)”と呼ばれ、その人の性自認を否定することにも繋がる。

 今回、7月11日からスタートした「ノンバイナリー認知週間(Non-Binary Awareness Week)」に際してデミはSNSにメッセージを投稿。「代名詞を変えることで、困惑してしまう人や、なかなか覚えられない人たちがいることが分かったので、これを投稿することにした。大切なのはあなたの気持ち。私にとって重要なのは、みんながトライしようとしてくれるということ。もし間違ってしまっても、大丈夫だよ」と前置きした上で、自身をミスジェンダリングしてしまう人たちに向けたメッセージを綴った。

 デミによれば、自分自身も昔から慣れ親しんできた代名詞を変えることに苦労しているといい、自分の気持ちを理解してくれた上で、自身を間違った代名詞で読んでしまった人たちに対して次のようにメッセージを寄せた。

 「もしあなたが私をミスジェンダリングしてしまったとしても、大丈夫。私も時々、自分をミスジェンダリングしてしまうから! これまでの人生で使ってきた代名詞を変えるというのは、ものすごく大きな変化。なかなか覚えられないこともある! あなたが私の真実をリスペクトしてくれて、私自身が自分の真実を記憶していれば、自然と変わっていくはず。私の回復プロセスに大きな意味を持っていることを認識しようとしてくれている、みなさんの努力に感謝してる」

 デミと同じくノンバイナリーであることをカミングアウトしているシンガーのサム・スミスは以前、自身を誤って「彼(He)」と呼んでしまったショーン・メンデスからの謝罪を受け、ハートの絵文字を添えて「私たちはみんな一緒に学んでいる」とショーンにメッセージを送った。(フロントロウ編集部)

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