『TWD』映画版、ノーマン・リーダスの思い
10年以上の歴史を持つドラマ『ウォーキング・デッド』では、シーズン9で主人公のリックが姿を消すという思わぬ展開があった。しかし、リックが主人公の映画版が制作中であり、彼の物語はまだ続く。
2018年に映画版制作が発表されたが、その後大きな動きがなく、さらに新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けた。リックを演じるアンドリュー・リンカーンは2021年初めに、2021年春に撮影が始まる予定だと明かしていたけれど、撮影が開始された様子は確認されていない。
映画版ではリックの他にも、シーズン10でドラマを卒業したミショーンが登場するのではないかという期待がかけられており、ドラマからどのキャラクターが登場するのかという点もファンが気になるところ。
ドラマにシーズン1から出演しているダリル役のノーマン・リーダスは、米Comicbookのインタビューで、映画版については何も知らないとコメント。「映画について今何が起こっているのか知っている人はいないと思う。違う人々から違う答えを聞くし。映画がどうなるのかは、まだ分からないんじゃないかな。何度か視点が変わってきたんだと思う。僕は何も知らない。それだけ言っておくよ」。
しかし、そんなノーマンにも描いてほしいことはあるよう。続けて、その胸の内をこう明かした。
「リックとダリルが再会してほしい。でもそれが、無意味なことにはなってほしくない。安っぽくもなってほしくない。リアルなものになってほしい」
完璧を追求する『TWD』制作陣
リアルなものになってほしい。ノーマンがこう口にしたように、映画版をしっかりとした作品として作り上げたいという点が、その制作に時間がかかっている理由のよう。
『ウォーキング・デッド』の原作者であり、映画版の脚本も手掛けるロバート・カークマンは、先日開催されたオンラインコミコンのなかで、「裏では面白いことが起こってる。僕もみんなと同じくらいじれったい思いなんだ。何も明かせないし、それについてノンストップで話すこともできないから」としたうえで、映画版制作にかなりの情熱を注いでいると語った。
「みんなが、これを出来るだけ良いものにしようと、一生懸命に働いてる。僕が言いたいのは、僕たちは良くないリック・グリムスの映画は作りたくない。素晴らしいリック・グリムスの映画が作りたい。だから裏方のみんなは、映画が公開された時には待ったかいがあったとなるようにするために考えてる。そしてそれは特別で、みんなが求めていたリック・グリムスの旅になる。
僕たちはこれを急いで完成させることはない。完璧だと確認できてからだ。それが、今裏で起こっていることだね。そして映画がついに公開された時、予告編などを公開した時、みんなは、『これこそが私たちが求めていたものだ。時間をかけてくれて良かった』ってなるはずさ」
『ウォーキング・デッド』のエピソード監督であり、『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』の制作総指揮であるグレゴリー・ニコテロも、米Comicbookのインタビューで、「(映画について)なにか知っていれば良かったんだけれどね。何かを話すことができれば。この数ヵ月で、様々なタイプの脚本を読んだよ。制作陣は、正しいものが作りたいんだ」と、制作陣は完璧を追求するために時間を費やしていると話した。
映画版は“厳しいR指定”になる可能性も伝えられており、シリーズのショーランナーであるスコット・M・ギンプルは、「(『ウォーキング・デッド』の映画は)その時間をドラマに使ってくれた人々を喜ばせなくてはいけないけれど、全員を呼べるようにするというような犠牲は払えない」とコメントしている。
映画版はどのようなストーリーラインになるのか。誰が登場するのか。いつ公開となるのか。気になることは多いが、その完成度のために気長に待つのが吉。
(フロントロウ編集部)