フェス参加者のワクチン接種率は90%以上
欧米ではワクチン接種が進んでいることもあり、少しずつエンタメ業界が復活しており、コンサートやフェスが行なわれている。なかでも7月29日~8月1日に行なわれた、アメリカを代表するフェスの1つであるロラパルーザ(Lollapalooza)には、約40万人が参加。
これまでよりもさらに感染力が強いと言われるデルタ株がアメリカでも流行していることから、ロラパルーザが行なわれるまではスーパースプレッダーのイベントになりかねないと言われ、フェスの開催に眉をひそめる人もいた。
しかし、フェスが無事に終わり約2週間が経ち、興味深い結果が発表された。それは新型コロナウイルスに感染したフェスの参加者の人数。約40万人が参加したフェスは、ワクチン接種が義務づけられており、ワクチン接種ができない人は72時間以内の陰性証明書を提出しなければならなかった。
その結果、約40万人の人がマスクなし、ソーシャル・ディスタンスなしでフェスに参加したロラパルーザに参加した人の中で、その後に感染が確認されたのは合計203件だったとシカゴの公衆衛生委員会のアリソン・アーワディ博士が公式声明で発表した。これは参加者の0.05%にあたると地元メディアのABC7 Chicagoは報じている。そしてアーワディ博士は、ロラパルーザがスーパースプレッダーイベントだったという「証拠はない」と同メディアに語った。
約600人が書類の不備によりフェスに参加することはできなかったり、偽のワクチン摂取証明書が売られていたりと一部で混乱はあったものの、90%以上の人がワクチン接種証明書を提出。フェスの参加者はワクチン摂取率が高かったと言える。また、全員がワクチン接種済みまたは陰性判定済みという方法で開催されたロラパルーザに関連した新型コロナウイルスでの死亡者や入院者はおらず、ワクチンを接種した参加者のうち、陽性反応が出たのは0.0004%、一方でワクチンを接種していない参加者のうち陽性反応が出たのは0.0016%だったことも明らかになっている。
5月にはイギリスの音楽アワード、ブリット・アワードが行なわれ、ワクチン接種をした医療従事者が4,000人以上集まったが、こちらは感染者がゼロ。
約40万人もの人が集まるイベントで新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増えなかったのは、90%以上の人がワクチンを接種していたということが大きいようで、アリソン・アーワディ博士はワクチンの接種を勧めており、「大きなイベントに参加される方は、ぜひワクチンを接種してください。みんなのリスクを減らすことができます」と語った。(フロントロウ編集部)