オリヴィア・ロドリゴがアジア系として思うこと
シンガーとしてのデビュー曲「ドライバーズ・ライセンス(drivers license)」を8週連続で全米シングルチャートの首位に送り込み、サードシングル「グッド・フォー・ユー(good 4 u)」でも全米1位を獲得するなど、2021年に最も成功を収めている若手アーティストであるオリヴィア・ロドリゴは、アイルランド系とドイツ系の血筋を持つアメリカ人の母親と、フィリピン系アメリカ人の父親のもとに生まれた18歳。
先日、シーズン2のフィナーレを迎えたDisney+ (ディズニープラス)のドラマ『ハイスクール・ミュージカル:ザ・ミュージカル』でもW主演の1人を務めるなど、すっかりZ世代のポップカルチャーを象徴するアイコンの1人となっているオリヴィアだが、アジア系である自身が活躍していることについては、思うところがあるという。
米V Magazineとの最新インタビューで、アジア系であることについて考えることがあるかと訊かれると、オリヴィアは「そういうことを考えるのは素晴らしいことだと思う」と回答した上で、同じようなルーツを持つ子供たちから受け取るというメッセージに言及しながら次のように語った。「時々、小さい女の子たちからDMをもらうんだけど、『あなたのような立場にいる人で、私のようなルックスの人は見たことがありませんでした』っていうことが書かれているの」。
オリヴィアは「私は涙が出てくる。そのことを考えただけでもね。私も、子供の頃には見たことがなかったような気がするから。“ポップスター”と言えばいつだって、白人の女の子という感じだったから」と続けて語り、自身も幼い頃には“ポップスター=白人女性”というイメージがあったと振り返った。
オリヴィアは以前にも、メディアで優先的に取り上げられてきたヨーロッパ系の血筋を持つ白人ではないことで葛藤した経験を明かしており、「もしもヨーロッパ系の特徴だったり、ブロンドヘアや青い瞳を持っていなかったりすれば、伝統的な可愛さを持っていないような気がしてしまう」と感じていたことを明かして、「それを克服するまでには時間がかかった。私が今でも、克服しようと頑張っているものでもある」と英The Guardianに語っていた。
現代の音楽シーンでは、オリヴィアの他にも、日本にルーツを持つコナン・グレイや、中国人の母親を持つグリフなど、多くのアジア系アーティストたちが活躍している。彼女たちのような存在は、エンターテイメントにおけるアジア系のレプリゼンテーションを高める上で大きな意味を持っている。(フロントロウ編集部)