カニエ・ウェストがマリリン・マンソンやダベイビーを起用
ニューアルバム『ドンダ』のリスニングパーティーを各地で開いてきたラッパーのカニエ・ウェスト。離婚申請中の妻であるキム・カーダシアンがウェディング・ドレス姿で登場したり、カニエが火だるまになったりと、何かと騒がせる演出で話題を集めている。
なかでも、シカゴで行なわれたリスニング・パーティーの演出は賛否両論を呼ぶことに。
カニエはその日ステージに、ミュージシャンのマリリン・マンソンを起用。マリリンと言えば、複数の女性から身体的及び性的な暴行や虐待で告発され、警察の捜査を受けている身。性暴力の加害者として告発されている人物を起用したことには、各方面から批判の声があがってる。
ちなみにこの日、マリリンを登場した同じシーンでは、同性愛者やHIV/AIDS患者に対する差別発言を理由に多数のフェスやキャンペーンから降ろされたばかりのラッパーのダベイビーも登場したため、この2人の起用の背景には意図的なメッセージがあるよう。
サバイバーのエヴァン・レイチェル・ウッドが苦言
このリスニングパーティーから数日、マリリンからの被害を訴えているサバイバーのひとりである俳優のエヴァン・レイチェル・ウッドがこの件に触れた。
ドラマ『ウエストワールド』や『ミルドレッド・ピアース 幸せの代償』での演技でゴールデン・グローブ賞やエミー賞に3度もノミネートされている俳優であるエヴァンは、2006~2010年頃にマリリンと交際。その後、加害者の名前を明かさずにレイプや精神的虐待の被害にあっていたことを告白。そして2021年に、その加害者がマリリンであることを明かした。
シンガーとしても活動するエヴァンは米時間土曜日にロサンゼルスで開かれたライブで、「ずっと取っておいたんだけど、やるべき時がきたみたいだから」と言って、ニュー・ラディカルズの曲「You Get What You Give」をカバー。
「Don’t give up(諦めないで)」というメッセージが歌われる同曲には、「ベックとハンソンとのファッション撮影/コートニー・ラヴとマリリン・マンソン」という歌詞が登場するのだが、エヴァンは「マリリン・マンソン」という歌詞を歌ったときに中指を立てて、観客からは歓声があがった。
そしてエヴァンはその後、この時のパフォーマンス映像をインスタグラムに公開して、「今週、侮辱された仲間のサバイバーたちへ。私はあなたを愛しています。Don't give up(諦めないで)」というキャプションを添えた。これは、マリリンがカニエのステージに起用されたことを指していると思われる。(フロントロウ編集部)